注文住宅は自分の理想の間取りを作れるのが醍醐味です。
様々な希望や要望を詰め込んで理想の家を作る過程で陥りやすい後悔や失敗例が
- 家が出来上がったら何もない自由に使える壁が無かった、少なかった
というものです。
恐らく設計中の方で気づく方は少ないであろうこの事例。
逆に既に家が出来上がっている方の中には、少なからず同じ事を思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事を読んで頂けると
- 詰め込みすぎの間取り設計
- 引き戸をメインとした家造り
- 大きすぎる窓
などへの注意点から、なぜ何もない自由に使える壁が必要だと思うのかをお伝えしたいなと思います。
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間取り図からは分からない壁の重要性
家造りにおいてハウスメーカーさんや工法により多少の制約はあります。
しかしその中で自分が思い描く家を設計するのは苦しくも楽しい作業になる事と思います。
また後悔をしたくないと思う一心から自分や家族の将来を考え、予算の許す限り取り入れられる設備は取り入れようと考えることでしょう。
またハウスメーカーさんによってはオプション装備を無料や格安にて取り付けられる物もあります。
我が家が建築をした一条工務店さんの家を例に考えてみますが
- 家具や住設など
- リモコンニッチ
(格安にて多数が採用する人気オプション) - 引き戸(戸袋を含む)
- 出来るだけ大きな窓
- コンセントやスイッチ
など間取り設計で失敗・後悔が無いようにと導入しないと損だと思い込んでしまいます。
結果として自分で気づかないうちに
と考えがちになる方も多いと思います。
もちろん家の大きさなどによって有効な壁の量は変わります。
しかし何もない壁を作るというのは思った以上に大変な作業になるのではないでしょうか?
お子さんの記念撮影や季節の飾りとして
家を建てよう!という方の中には「小さなお子さんの子育てを考えて」という方も少なくないでしょう。
大人だけだと見過ごしがちな季節のイベントも子供の為と思うと一生懸命になるものです。
このような装飾などをしようと思ったときに何もない壁があると良かったなと思うことがあります。
また何か写真撮影をしたいなと思った時に余計なものが写り込まない壁というのは本当に貴重なものです。
我が家ではこのリビングの畳コーナー脇の壁が図面上で1.5マス分ある一番大きくて何もない壁になります。
ただしコンセントとスイッチがあるので、写真など撮影しようと思うと勿体無いなぁと何度思ったことでしょうか。
こちらで紹介させて頂いた壁にもコンセントが見えます。
一条工務店のリモコンニッチなど住設は本当に必要なのか?
また我が家で建築をした一条工務店さんでは「リモコンニッチsa」と呼ばれるオプションが人気です。
設置できる壁には条件があります。
これを取り付ける為にわざわざ壁を作ったり、壁をふかして(厚くして)設置している方も多いですね。
本当に自分の用途に合っていれば良いのですが、本当にそのリモコンニッチは必要でしょうか?
関連 リモコンニッチを採用しなかった理由と採用した方が良い場合を考える。
我が家ではリモコンニッチを実際にどのように使うのか?を考えた末に採用をしませんでした。
取り付けられる壁があっても採用しなかったでしょう。
その代りに自分なりにリモコンを集約し日々の作業をしやすいスペースを作りました。
関連 無印良品のコルクボードと壁に付けられる棚をDIYして作ったリモコンニッチ
その他にもピクチャーレールなど吊り下げるオプションなども本当にそこに吊り下げるものが必要でしょうか?
空間の中で高い場所になにかあるだけでそれは「圧迫感」や「煩雑さ」を与えることになります。
ひいてはせっかく広く作った部屋や空間を狭く見せてしまうことにもなります。
大きな窓は壁を減らし断熱性を弱め光熱費が増える
また注文住宅を設計する際に陥りやすい失敗に「大きな窓」に拘ってしまう点があります。
もちろん必要な場所には開放感のある窓は必要でしょう。
ただし大きな窓を取り付けても大丈夫な外的環境や外構面での準備が不可欠である点は忘れてはいけません。
また比較的小さな部屋に関しても窓の大きさには注意が必要です。
関連 こんなに大きいとは!窓が大きすぎて壁が無くなった4畳半の子供部屋
また窓は確実に断熱性を弱め、夏は暑く冬は寒いという快適な暮しに逆行するものです。
何もない壁があったときに、
なんていう考えで窓を取り付けてませんか?
その時に取り付けられる最大の窓を取り付けてませんか?
その窓は本当に必要ですか?
何もない壁=将来的に何にでも使える
間取りを設計する際には将来を考えていろいろな準備をすることでしょう。
しかし小さめの部屋などは家具の配置もかなり固定された状態で計画をする方も多いと思います。
先程も紹介した大きすぎる窓に共通する事でもありますが、何もない壁があるだけで家具の配置バリエーションは大きく広がります。
- ベッド
- 机
- ラック
などが窓や壁に設置された窓や住設に被らないだけで、将来的に部屋の使い方を限定しないというメリットがあります。
これは小さめの部屋に限ったことではありません。
収納に関しても言えますが使い方を限定しないという事は将来的に考えて大きなメリットになります。
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引き戸メインの間取りのデメリットは壁が無くなること
我が家は子供や自分たちの将来を考えて引き戸メインの間取り設計をしました。
一般的に夏の全館冷房除湿などを考えると、扉を開けっ放しにしていても問題のない引き戸は良いものです。
一方で引き戸が増えると耐震強度の問題もあります。
2階建て以上の方は引き戸を自由に設置出来なかったりサイズが限られたりする場合もあるでしょう。
その他にも引き戸は戸袋が必要になる為に有効な壁が減るという単純なデメリットを忘れてはいけません。
間取り設計では何もない壁を大切にしよう
今回紹介しました例において
- 引き戸の選択
- どうしても必要な住設
- 必須のスイッチやコンセント
など毎日の暮らしにおいて優先すべきものは絶対に優先すべき事です。
ここを間違ってはそもそもの暮らしやすい間取り設計が台無しになってしまいます。
しかし多くの家が限られた間取りに多くの夢を詰め込むばかりに使える壁が少なくなりがちです。
だからこそ「何もない壁」というのは「贅沢な空間」を演出する要素の一つであると思います。
設計中の皆さんは、そのオプションが本当に大切なものなのか?を今一度考えてみてはいかがでしょうか?
まぼこさん、こんばんは。
我が家は30坪のマンションから30坪のi-cube に住み替えます。
最初、一条からもらった図面は大きな窓だらけ。家具を置く場所がないから、窓をもっと少なく、もっと小さくとお願いしました。
でも、採光率の関係で希望通りにならないところもありました。
断捨離して家具も整理する良い機会だと思うことにします。
なおあちゃ様
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なおあちゃさんこんにちわ。
新居では旧宅からの家具などを持ち込む方も多い一方で、システムクローゼットなどを最大限利用して出来るだけ家具を置かないようにという設計方針の方も多いと思います。またこれは地震などの際に家具が倒れてきての被害を抑える役目もあるので当然のことと思います。
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一方で将来的に何かを置きたいなとなったときに壁の問題が出てくるのかなと思います。
その点では設計時にしっかりと気づかれて対処されたのは流石ですね!
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