一条工務店の床暖房の設定温度はどのくらいだと良いんだろう?
というように床暖房の暖かさに期待する一方でその設定温度に悩まれる方も多いことでしょう。
床暖房の最適な設定温度はその家により異なります。
- 家の大きさ
- 暮らし方
- 日当たり
- お住まいの地域
- 済んでいる人の感じ方
正直言って正解という設定温度は無いでしょう。
ただし他の人の設定温度を参考にして自分に最適な設定温度までの近道とはなるでしょう。
今回は我が家の設定温度の変遷から見て床暖房の設定温度を探るに当り
- 重要なのは室温ではなく温度差
- 室温に差が出るポイント
- 床暖房での暮らし方
など初めて床暖房の設定をする方だけでなく入居後でもその設定に迷われている方の手助けとなれるような内容になっています。
また初めて床暖房を設定される方に向けてこちらの記事をおすすめしております。
関連 一条工務店:床暖房リモコン設定簡単マニュアル 基本タイマー設定編
関連 一条工務店:床暖房リモコン設定簡単マニュアル 設定温度調整編
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一条工務店の床暖房の設定温度
まずは大前提として一条工務店の家は高気密高断熱であり
家の中が魔法瓶のようである
と表現されるほど保温効果が高い家です。
他の家に比べればもちろん保温効果は高いと思いますがそれにも限度があります。
簡単な事なのですがまずはこの大前提を無視して他の家との設定温度や室温などを気にされる方が多いように思います。
とりあえず我が家の基本情報として記載しておきます。
- 住まい
福島県郡山市 - 家の大きさ
27.8坪の平屋 - 1月~2月の平均最高気温
4~5℃ - 1月~2月の平均最低気温
-2~-3℃
最高気温・最低気温は地域によってかなり変わると思います。
この記事の元になった設定を行った2017年の1~2月の寒い時期は例年より冷え込んだ事が多かったです。
1月の大雪が続いた2週間は最低気温も-10℃に迫る勢いだったので例年より寒かったはず。
北海道までとは言いませんが北東北の寒さに迫る寒さではあったと思います。
一条工務店の床暖房のエリア設定
床暖エリアはリモコン1個につき4エリアまで指定出来ます。
多くの家がそうだと思うのですが2個リモコンがあった我が家では8エリアまで設定が可能でした。
しかし我が家は部屋数が少ないので使っているのは5エリアのみです。
エリア分けはこのようになっています。
実は私が設計時にこのエリア設定に関しては全くの無頓着でありました。
そもそも28坪の平屋の我が家は特徴として
- 廊下なども無く
- 全て引き戸で開けっ放しで
- 部屋はあるが1つの空間である
という事から床暖房のエリア分けに対して
くらいの認識しかありませんでした。
結果としてエリア設定に関してはほぼ設計士さん任せにしてしまいました。
室温を計測する温湿度計の設置位置
この床暖房の設定温度を検証時には家のこちらに温湿度計を設置してその変化を計測しました。
使用した温湿度計は「みはりん坊」という絶対湿度が計測出来るものです。
一条工務店さんから頂ける温湿度計は「温度」に関しては誤差がほぼ無いようです。
しかし「湿度」は当てにならない印象です。
こちらの機種ですが同じ機種でも誤差が大きいです。
同じく多くの方が使っている野外も同時に計測できる温湿度計も湿度面は正確とは言えないような気がします。
初期の床暖房の設定温度
入居して初めての床暖房。
我が家では床暖房の設定温度を以下の図のように設定しました。
設定方法は様々な説で語られていますが
- 電気料金の安い深夜に暖めて
- 昼間はセーブ運転で室温を維持する
という方法がメジャーかなと思います。
しかし太陽光発電の余剰電力の場合は一般的なオール電化プランよりも安くなるプランがありました。
- 8時~22時の昼間→26℃
- 22時~8時の深夜→28℃
このような設定で始めてみました。
ちなみに外気温がまだそれほど下がっていない初冬は全体的に2℃ぐらい設定温度を下げていました。
我が家では主寝室にある畳エリアに布団を敷いて寝ています。
夜間に床暖房の温度設定を28℃にして部屋を暖める。
その為に布団に寝ていると暑苦しくて寝ていられません。
その為に夜間も温度を上げずに26℃設定のままで生活してみました。
この温度設定での問題点
それではこの設定温度で暮らしてみた時に感じた問題点は何だったのでしょうか?
布団で雑魚寝は温度設定に注意
我が家では基本的に畳に布団を敷いて寝るというスタイルです。
この場合に床暖房の設置温度には要注意です。
なので通常よりも床暖房の設定を下げる必要がありそうです。
床暖房の設定温度次第という事です。
またこの主寝室ですが同じ温度設定でも室温が高くなるようでした。
その理由を考えてみると
- 熱源となる家電などが無いこと
- 畳が敷いてあるので室温が若干上がりにくい?
などが挙げられるのかなと思います。
また日当たりが一番よい部屋であることから自然と室温も上がりやすい部屋になります。
玄関ホール&子供部屋が寒い
玄関ホールと子供部屋は同じ床暖エリアになっています。
しかし同じ設定温度だとかなりLDKに比べて1.5~2.0℃ほど室温が低くなってしまいました。
考えられる理由としては
- 床暖の配置されていない玄関土間
- 玄関ドアの開閉で室温が下がりやすい
- 北東で日当たりが悪い&窓が大きい
- タイルカーペットの存在
などが挙げられるのかなと思います。
玄関ホールの寒さ
玄関ホールの寒さに関してはこちらの記事にまとめてあります。
関連 【一条工務店:床暖房】快適さのポイントはやはり玄関ホールのエリア・温度設定でした。
- 寒冷地以外では配置されない玄関土間の床暖房の有無
- 玄関ドアの断熱性能の低さ
- 玄関の開け締めによる冷えた外気の流入
これらの要因により玄関ホールは確実に室温が下がるエリアになります。
関連 床暖房ヘッダーボックスは寒さ対策に有効な玄関ホール設置がおすすめ
日当たりと窓の大きさ
日当たりが室温に及ぼす影響は皆さんが思っているよりもかなり大きいと思ってください。
夏は暑さの原因になる日当たりが冬には室温の上昇に関係してきます。
特に北側~東側に関しては室温が下がる冬季において日当たりが少なくなり確実に室温が下がります。
一方で窓の大きさも寒さに直結すると思ってください。
関連 こんなに大きいとは!窓が大きすぎて壁が無くなった4畳半の子供部屋
また子供部屋には床暖房対応のタイルカーペットを敷いています。
床暖房対応ですから極端に室温に影響があるとは思いません。
しかし何も敷かないよりは若干の影響があるかもしれません。
関連 床暖房に対応する東リのタイルカーペットでフローリングを快適空間に変えよう!
修正後の床暖房の設定温度
当初の床暖房の温度設定からの反省点を活かし改善を図ってみました。
一番のポイントは
- 室内の温度差を少なくする
という事です。
気をつけるポイントは一つ。
- 家の中の室温差を「最大値」でも±2度以内、±1.5度ぐらいまでに収める
というような温度設定のポイントを探ることです。
床暖房の設定を探る際には結構思い切った温度設定が必要かなと思います。
主寝室での対策
床暖設定を思い切って下限の24度まで下げてみました。
LDKとの温度差を-1.0℃と記載していますがこれにはちょっとポイントがあります。
この部屋の場合
- 日当りの良い昼間は暖かく
- 夜は冷えてくる
という変化があることです。
これにより
- 日差しのある昼間は温度差が少なく
- 冷える夜は布団で寝やすい
という環境を作ることが出来ました。
玄関ホール&子供部屋の対策
冷え込むこちらのエリアは床暖設定を終日30℃まで上げてみました。
LDKに比べて昼間で4℃・夜間で2℃の設定温度アップですね。
ここまでやって室温が約1℃上がりました。
LDKに比べて室温は低いのですが「温度差」が減ったことにより寒さは感じません。
これは子供部屋の足元に床暖房対応のタイルカーペットが敷いてあることも大きいと思います。
足元の暖かさは大事ですからね。
床暖房は細かい温度設定が難しい
床暖房というのは温度設定をすることはできますがその変化はかなり緩やかなものです。
その為にエアコンやファンヒーターのように即効性はありません。
全館床暖房の家で暮らすポイントを紹介してみましょう。
細かい調整は服装で調節しょう
一条工務店の家は断熱性能も高く、それだけに床暖房で家中が暖かいと言われます。
一方で室温がいつも同じかというとそういう訳ではありません。
単純な室温に関して言うと
- 日差しがあれば上がり
- 曇っていれば下がり
- 外気温が暖かければ上がり
- 寒ければ下がり
- 夜はもちろん冷え込む
というように前後するものです。
その度に床暖房の設定温度を変えていては対応が難しいです。
もちろん一時的に設定温度を下げることはできますよ。
関連 一条工務店:床暖房のエコモードを設定して使いこなそう!
しかし一番簡単なのは服装で調節することです。
ちょっと寒いときには1枚羽織る。
ちょっと暑いときには1枚脱ぐ。
換気扇の使用はほどほどに
気密性が高いと言われる一条工務店の家ですが換気扇を使用した際はどこから空気が入ってくると思いますか?
気密性が高いということは換気扇で室内の空気を出した分をどこかから入れなければなりません。
- キッチンの換気扇
- トイレの換気扇
- 浴室の換気扇
特にも注意したいのが浴室の換気扇です。
カビ防止のために中には24時間回しっぱなしという方もいらっしゃることでしょう。
その場合その分だけ外の冷えた空気を差圧換気口などから取り入れることになります。
特に指定をしないとキッチンの冷蔵庫の上あたりに設置されることが多いです。
床暖房の温度設定と注意点のまとめ
一条工務店の全館床暖房で目指すのは一定の室温ではありません。
- 家の中の温度差を多くても±2.0℃以内にする
この1点につきます。
その為に考えなければならないのは室温の上下に関わる
- 日当たり
- 窓の大きさ
- その部屋での暮らし方
などであり、それにより設定温度を決定する必要があります。
冷たい空気はどんどん下に移動してきます。
これでは何のために全館床暖房をしているのかわかりません。
床暖房の設定温度やエリア設定に関しては一般的に語られているような事はあまり当てにならないと思います。
本当に全館床暖房で快適に過ごす方法をしっかり考えてみませんか?
床暖房の設定マニュアル公開してますよ♪
関連 一条工務店:床暖房リモコン設定簡単マニュアル 基本タイマー設定編
関連 一条工務店:床暖房リモコン設定簡単マニュアル 設定温度調整編
どーも、フエッピーです( ・∀・)
いい記事ですね~
私も便乗して記事をかいてみました。
おはようございます&ありがとうございます!
先程拝見しました。玄関ドアの性能って本当に大事です。特にも最低気温がぐっと下がる地域に関しては本当に気にして欲しいです。一条さんも家の断熱性能に拘るなら玄関ドアまでしっかりとフォローして欲しいなと思います。
ところで、我が家ではプロセレーネの親子ドアQPN09を採用しています。プロセレーネでもK2.0仕様とK1.5仕様があることに初めて気づいたのですが私が採用したのはどっちのタイプなのかフエッピーさんお分かりになりますか?三協アルミさんのHPを見ても私には違いが分からなくて(;^ω^)
追記:我が家の仕様はK1.5のタイプみたいですね。失礼しました。
さすがまぼこさん。やはりK1.5を採用されてましたか。
平面図を拝見すると大きめの掃出窓があるようなので、もし宜しければ縦長の窓と横長の窓の周りの天井からガラスと床まで表面温度を測って記事にしていただけませんか?
我が家は防火地区でトリプルサッシは一部しか採用できず、大きなトリプルサッシの実力を見てみたいのです。
その時の室内外の温湿度計の画像も欲しいです。
冷たい空気は下に下がるため同じ面積の横長の窓と縦長の窓だと縦長の窓の方が空気が冷えて窓下の床が寒くなるはずです。
家は性能を謳う一条工務店ですが、玄関ドアの選択や必要性の低い場所にまで掃出窓を付けてしまうなど設計段階に落とし穴があると言えますね。
もし宜しければ時間がある時で結構ですのでお願いいたします(・∀・)
こんにちわ。
玄関ドアは妻の数少ない希望デザインで決定事項でした。それがまさかの一番断熱性能が良いもので、設計段階では私は玄関ドアの断熱性能なんてほとんど気にしてませんでした。今になってラッキーだったなぁと思うわけです(;^ω^)
実はこの記事の続編として長くなったので分けた記事をもうほとんど書き上げています。その中で掃き出し窓付近の床面温度にもちょうど触れていました!もう本当にビックリです。フエッピーさんのご希望に沿うまでのデータではありませんが。。。。来週明けに公開しようと思ってましたがさっさと公開しちゃいますかね。
冬季も掃き出し窓の表面温度はちょいちょい測ってたのですがしっかりとデータとして残してないんですよ。もうおバカです。しっかりとデータとって記事に出来るのは来年かなと思ってたので残念です。1月の一番冷え込んだあたり(外気温-3~6℃ぐらい?)の掃き出し窓下の白い樹脂サッシ部分の表面温度は確か6℃ぐらいまでは下がったような覚えがあります。なので幾ら湿度管理をしても結露は免れないなと諦めた覚えがあります。あと、我が家の掃き出し窓などがある西側は風当たりが日常的に強い場所なので気温よりも窓が冷える要因が大きいと思っています。
この暖かくなった時期でもデータが役に立ちますかね?週末までに時間が取れればトライしてみたいと思います。
どーも、フエッピーです(・∀・)
新しい記事、拝見しました。
外気温8℃の時で南側の掃出窓の前の床が20℃、リビングが22℃ですね。さすがトリプルです。
まぼこさんの考察により、ずっと日が当たらない方面からのコールドドラフトを強く感じるとのことで、
リビングを南にすると必然的に日の当たらない方向に玄関がきますから、超断熱を誇る一条ハウスにおいても、
玄関方向の床暖の区画分けや設定温度が重要になってくるということがわかりました。
本当は真冬における天井から床までの温度が知りたいところですが、現時点の温度で結構なので、
トリプルサッシの縦に長い窓と横に長い窓の天井・窓・床の温度が知りたいです。
この意味として明り取りの窓はどれほど必要なのか、窓のサイズや勝手口の必要性など、
高気密高断熱住宅にはどの程度の窓の量と大きさが最適なのかということです。
まほこさん宅は平屋ということもあり、外皮(天井・壁・床)に対する窓比率が少ないです。
窓が少ないと解放感がなくて息苦しいという人もいますし、我が家などは階段ホールは勝手にスイッチが
ついているので窓は付けてません。結構、不要な窓が付いてる家は多いですよね。
窓の量に対する解放感と断熱性能の最適バランスを考察をしている施主は少ないと思いますね(・∀・)
こんにちわ。ちょうど床暖エリア設定の記事を書いていたときにフエッピーさんからの申し出だったのでびっくりしました。
今週末は気温た高めなのですが、来週になると平年並みの気温になりそうなので、週が開けてから計測をしてみようかと思います。ちなみに雨予報だったのですが予想よりも昼間も青空が見えたりして窓際の室温は24.7℃まで上がってしまいました。主寝室は1℃低いですけど、今のこの状態でこれなので夏に陽射し対策してなかったらと思うと今から色々と楽しみです!
この時期で25℃位ならもう少し季節が過ぎるとオーバーヒートは確実ですね。
マックスのロスガードはバイパス換気は本当にないんですか?
もし、そうなら窓の日除けは必須でしょう。ここも一条ハウスの落とし穴ですね。
現在はまだ床暖を稼働中ですし、来週には気温も下がるようなので一時的かと思います。しかし1ヶ月後には床暖を切っていても対策が必要かなと思っています。シェードセイルは夏に準備すればよいかと思っていましたが、よく考えるとエアコンを使用しない中間期に必要になるので、あっという間に必要になるのですね。早く準備しないと。
ロスガードには私が見る限り設定のようなものは見つかりませんでした。念の為に監督さんに聞いてみようかな。。
追記ですみません。
それと、まぼこさん邸のQ値を計算してもよいですか?住み心地がなぜよいのか確認したいです。
現状の平面図だと、窓記号が読み取れないので、窓記号がわかる平面図を次回にでも上げて頂ければ計算してみます。
平屋は真四角の家から見れば横に広がるため、Q値は悪化するのですが、ここがポイントではないのですよね。Q値が良くても寒いと感じる家はありますからね。
加えてありがとうございます。
もしも計算していただけるなら本当に有難いです。差し支えなければ以前にコメント頂いた際に頂いたメールアドレスに図面を添付してお送りしても宜しいでしょうか?
我が家は私が素人知識なりに対策を考えて作ったつもりです。とはいってもエアコンの風の流れやサーキュレーターで冷気を循環させること、陽当りから全館冷房や全館暖房がしやすいようにという事だけですけどね。でも今になって色々と調べたり知ることが偶然にも良い結果をもたらしていることが多くてビックリしています。
湿度関係も来年の冬がどうなるか今から本当に楽しみで。後でメール送らせて頂きます。よろしくお願いします。
はい、あのアドレスに平面図を送って下さい。出来ればお名前や住所等の個人情報は消して頂けると助かります。
あと、計算結果からの考察を記事にしてもいいですか?
準備が出来次第送らせて頂きます。
結果の記事化はもちろんOKです!むしろ光栄です。お送りした平面図は公開しても大丈夫な状態でお送りしますし、私も全体の図面は公開済みなので必要であれば掲載して頂いて構いません!