一条工務店の床暖房は家全体を温めるまでに2~3日掛かると言われています。
それは床暖房がホットカーペットのような温かさではなくフローリングや家の躯体を暖めることで家全体の暖めるものだからです。
だからこそ立ち上がりに多くの電気代が掛かると言われています。
と思い、暑さ寒さが繰り返される秋の頃はエアコン暖房を使われる方も多いでしょう。
しかしちょっと待ってください。
エアコン暖房は空間を暖めるのに確かに悪い選択ではありません。
この記事では床暖房を早々に稼働することにより足元のフローリングの冷たさを軽減する事をおすすめします。
その際に多くの皆さんが気になる点
- フローリングを暖めるだけの床暖房の消費電力
- ちょっとだけエアコン暖房を使う際の消費電力
を実際にエアコンに取り付けたワットチェッカーを使い計測した様子をお伝えしたいと思います。
タップで飛べるもくじ
一条工務店の床暖房の電力消費
一条工務店の床暖房は一般的には家を暖める際に
- 使用開始時には高めの温度設定で
- 2~3日かけて一気に家全体を暖める
という方法が取られます。
その為にシーズンの初めに床暖房を稼働させる際には多くの電力を消費する事になるのです。
一方で一度温まった物を一定温度に維持する際にはそこまでの熱量を必要としないこともお分かりになると思います。
今回は家全体を暖めるまでもない秋口の床暖房設定になります。
つまりフローリングの表面温度を上げる程度の床暖房設定ということですね。
床暖房の温度設定は各エリアのセンサーが行う
床暖房のエリアは打ち合わせの際に考えられたと思います。
床暖房のエリア設定に関しては一般的な広さの家だと
- 床暖房リモコンが2個
- 8エリアまでの設定
が可能ですね。
その際に各部屋のエリア設定が間に合えば良いのですが間に合わない場合に何部屋かのエリアを一緒にする必要が出てくるかもしれません。
その際に温度センサーは各エリアの不凍液パイプが床暖房のHB(ヘッダーボックス)に戻っていく場所に設置されます。
図解にするとこういうことですね。
このような床暖房の配管図の図面があり温度センサーの配置も記載されています。
床暖房の温度センサーはこのようなものがフローリングに取り付けられます。
内部には床暖ホースに巻きつけられた温度センサーが設置されています。
通常はドアの開く部分だったり物が上に置かれないような場所に設置されます。
床暖房の開始は高温で一気に暖める
地域差や気温により変わりますが床暖房は普段は24~28℃程度で運用されるのが一般的かなと思います。
そして床暖房を最初に稼働する時はもっと高い温度設定が必要になります。
我が家では毎年30℃の設定にて稼働を開始します。
一般的には電気代の安い夜間から稼働を開始すると思います。
家全体を暖める目的であれば少なくともこの状態で丸2晩程は稼働したいなと思います。
床暖房はホットカーペットのようにその床暖ホースから直に暖かさを感じるものではありません。
床暖ホースが配置された銀パネルを通してフローリング面など家の躯体を暖めることにより局所的な暖かさではなく家全体を暖めるものです。
床暖房稼働時の環境にもよりますが
- 循環パイプ+銀パネル+フローリング面
↓ - 家全体
を暖めるためには1晩ほど高温度の設定をしても十分に温まるものではないと思います。
1番程度では寒さがやってくると室温は一気に下がってしまうでしょう。
電気代の計測に使った機器
今回の消費電力計測は床暖房システムの一部であるRayエアコンに設置したワットチェッカーを用いて行っています。
Rayエアコンは床暖房のシステムと連携していますのでこちらのコンセントを測定することで床暖房に必要な消費電力を確認することが出来ます。
Rayエアコンの計測に使っているワットチェッカーはこちらになります。
Rayエアコンは200V機種なので使えるワットチェッカーが少ないんですよね。
また、フローリングの表面温度を測る際にはこちらの放射温度計を使用しています。
放射温度計は窓ガラスの温度を測ったりお料理などにも使えますので決して無駄にはならない買い物だと思います。
床暖房を開始する前の待機電力
床暖房システムの採用時期によりRayエアコンのコンセントは抜かないように注意がされています。
これは床暖房を使用しない時期でも循環パイプ内の循環液を定期的に循環させるためです。
関連 なぜ暖まらないの?一条工務店の床暖房を初めて使う人が失敗する元栓バルブの開栓作業
夏の全館冷房を終えた後にもワットチェッカーを挿しっぱなしで様子を見ていました。
このように4Wという待機電力が普段からかかっていました。
床暖房開始時の消費電力
それでは実際に床暖房を稼働してみましょう。
まずは全体的に暖めるために30℃設定で温め初めます。
小さなお子さんと畳コーナーなどに布団で寝ている方は床暖房の設定温度にお気をつけくださいね。
床暖房を開始した22時からの30分ほどの消費電力は
- 4W(待機電力)
↓ - 1380W
まで一気に上がり暫くの間1380W程を維持していました。
1380Wと言えば一般的なドライヤーほどの消費電力になりますね。
夜間の電気料金を18円/h(東電のスマートライフプラン)として計算してみると
- 18円×1.38kWh=約25円
という事でこの1時間だけみるとかなりの消費電力ですね。
安定後の消費電力
床暖房を22時に稼働した際の最初の1時間はかなりの消費電力でした。
その後の30℃設定での消費電力の推移を図などを使用せずにアナログな感じでお伝えしますと。
- 23:00 90W
- 23:05 480W
- 24:00 369W
- 06:00 116W
- 06:10 326W
- 06:50 116W
- 06:55 319W
このように床暖房稼働後2時間ほど高めの消費電力から徐々に下がってきたのが分かります。
その後は100W~380Wほどを行ったり来たりしていました。
正確に計測ができた訳では無いのですが平均的には200W台の消費電力なのかな?と思います。
これはRayエアコンを再熱除湿(ドライ運転)しているのと変わらないぐらいの消費電力なのではないか?
と思います。
ちなみにこの夜間に稼働した床暖房にかかった電気代はおおよその換算ですが。
- 10時間×250W(時間平均)×18円(深夜料金)
≒45円
という事でたった45円です。
ありえない話ですがこの設定で1ヶ月夜間だけ使ってもおよそ1350円。
セーブ運転の消費電力
家全体を暖める為にはそのまま30℃設定で家を温めきる事が大切です。
しかし今回はそこまでの必要はないのでいつもの設定に戻してみます。
まだそこまで冷え込んでいないのでこのような設定に戻してみました。
- 22:00~8:00
→26℃設定 - 08:00~22:00
→24℃設定(セーブ運転)
というように夜間だけ気持ち設定温度を上げて昼間はセーブ運転で設定温度を下げました。
この際の消費電力ですが
- 7:00~21:00
→4W~10W - 21:00~22:00
→95W - 22:00~
→260W
(26℃設定に切り替わり)
というような推移になりました。
- 循環液が温まった昼間はほとんど稼働していない
- 21時頃になって若干冷えてきて一部のエリアが稼働
- 22時になり設定温度が24℃から26に上がり一気に稼働開始
というようにまだ外気もそこまで冷え切っていない秋。
この時期は設定温度によりますが昼間の床暖房稼働はほとんどなさそうです。
またこの21時の95Wという半端な消費電力の正体はこれです。
床暖リモコンのこの表示は床暖房が稼働しているという意味です。
今回稼働していたのはこのエリアです。
- 玄関土間からの冷え込み
- 日当たりが一番悪い北東側
というこちらのエリアは我が家で一番冷え込む場所になります。
やはり床暖エリアの設定は大切ですね。
エアコン暖房による消費電力
一方で秋口の時期は数日の冷え込みでエアコン暖房を使う方も多いと思います。
それはもちろん良いのです。
「室温」を一時的に上げてあげるのは良いのですが大事ですよね。
ちなみにRayエアコンを
- 暖房
- 26℃
- 風量弱
にて稼働させた場合の消費電力は
このように立派な消費電力ですね。
エアコンも安定すると消費電力は下がるでしょうがそれは床暖房も同じこと。
ちょっとした寒さこそ床暖房をおすすめする理由
今回はワットチェッカーを使って床暖房システムの挙動を確認してみました。
やはり床暖房は循環液が設定温度を下回ると稼働を全く停止しますので無駄な消費電力は使っていないということがわかりましたね。
床暖房を稼働しているとずっと大きな電力消費がかかっていると思い込んでいる方もいらっしゃいますがそれは間違いです。
夜間の電気代が安い時間だけ稼働するように設定すると1ヶ月早く床暖房を稼働したとしても1,000円ちょっとの出費で足元の温かい生活が出来ます。
もちろん冬本番になると消費電力は増えますよ。
しかし秋の寒くなりだす時期は夜間だけの稼働で少しの電気料金で快適な暮らしが手に入ります。
また昼間も設定しておくことで急な冷え込みの際にもフローリングが冷え切ることはありません。
地域によると思いますが折角の快適な全館床暖房。
その恩恵を得られるのは真冬だけでなくこの寒暖差の大きい秋口かもしれませんね。
12月から3月までの冬の電気料金は平均どれくらいですか?
我が家はエアコンと強制換気を2台ずつ稼働させてます。
オール電化ではなく給湯とガスレンジはプロパンガスです。電気料金は二万円前後でガスは15000円で合計すると3500円ぐらいです。
ゆきんこ様
.
コメントありがとうございます。
.
我が家の直近の1年間の電気料金はこちらの記事でも紹介しておりました。
https://www.maboko.net/solar-04/
12~3月はおおむね18,000円~23,000円になっています。
.
我が家は太陽光で余剰発電を行っていますので昼間の買電はせず基本的に自己消費をしています。
特にも1月2月は積雪により全く発電しない時期は全て余計に高い電力を買っていることからどこまで参考になるか分かりませんがこれに3~5,000円ほどのプラスをすると良いのかな?と思います。
.
ただし我が家は冷蔵庫の他にサブ冷凍庫もありますし床暖房も設定温度は高めですし食洗機も洗濯機も除湿乾燥機も時間帯を全く気にせずに使っている分だけ全くエコな暮らしをしていません。
.
ご参考になりましたでしょうか?
家は太陽光パネルはないし、電気料金プランも深夜電力使うのではないです。
最近、従量電灯Bからファミリーバリュー?に変更して冬は安く夏は割高になりますがよりそうeネットの試算だと一年で1000円ほど安くなります。
深夜電力を使っている方が光熱費は安くなるのは当たり前ですからね。
ゆきんこ様
.
よりそうeネットの試算で安いプランが出ているのならまずはそれに変更したほうが良いのかもしれませんね。
電気・ガスそれぞれにメリット・デメリットがあると思うのですが我が家では家の性能を十分に使ったオール電化が合っているようです。