という事で今回は勝手口照明とキッチン換気扇の換気口が重なってしまった事例を紹介したいと思います。
多くの方は初めての家造りですよね。
間取りなどはもちろんですが電気図面などというものも初めて見る方がほとんどではないかと思います。
この失敗例はそんな電気図面の読み取り不足から起こったものかなと思います。
全ての方に起こり得ることではないと思いますが一般的に設計されやすいキッチン構成などで起こりやすい事例かと思います。
どんな間取り設計をした場合に起こる可能性があるのか?
回避するための方法は?
こんな内容をお伝えすることで思いがけない失敗例となることを未然に防げるように書いてみたいなと思います。
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キッチン換気扇の換気口と勝手口照明が被る
この事例は私が設計中に拝見していたブログにて紹介されたものです。
こちらは上部にあるキッチン換気扇の換気口と下部にある勝手口照明が縦に並んでしまった様子を記録したものです。
施主であるココさんは
排気口の下に、照明が来るなんて・・・ありえない・・・
マヂデスカ!(*`Д´ノ)ノ
と記事中で嘆いてらっしゃいました。
勝手口の電気図面ではどうなっていた?
そもそも施主であるココさんが嘆いてらっしゃるこの配置ですが一条工務店さんの施工ミスなのでしょうか?
ではココさんの電気図面はどのような計画になっていたのか確認をしてみましょう。
ご覧のように勝手口の照明とキッチン換気扇の換気口の位置がピッタリと重なっているのがわかると思います。
この図面は確かに施主であるココさんが着手承諾した電気図面で間違いないようです。
よって一条工務店さんとしては電気図面通りにしっかりと仕上がった間違えのない施工であると言えます。
施主であるココさんは記事中にて
そして、それで着手承諾をしてしまったのは、確かに私たち・・・
でも、素人に図面(特に電気図面)で、そこまで読み取るのは難しい・・・と思うのは私たちだけでしょうか
設計士さんも、人間ですからミスすることもあるかとは思います
でも、こういうのって何人もの人が、何重にもチェックして、あってはいけないことなんじゃないのかな~?
とおっしゃっています。
施主であるココさんの「この施工は信じられない!」という立場からするとこういう認識になるんだと思います。
しかし一方でこの施工が何でもないと思う人にとっては特別に気にするような施工では無かったりする訳です。
換気口と照明が縦に並ぶのはどう思う?
ココさんは家が出来上がってからこの配置に気づきかなり驚きガッカリされたようですね。
その理由はキッチン換気扇の換気口から出てきた油煙などが照明に直接当たることでの汚れなどが気になるという事なのかなと思います。
正直言いますと私はこの出来栄えを見て
ぐらいの認識しか無く、ココさんが感じられたような印象は持ちませんでした。
でも言われると確かに照明に油汚れが付いたりするのかな?とも思います。
また一度気になるともう気になってしょうがないものですよね。
実際にこの配置(施工)をご覧になられた方の感じ方は千差万別なのかなと思います。
担当の設計士さんがこの状態をどのように思ってらっしゃったのかは分かりません。
少なくとも問題のある施工だとは全く思っていなかったのでは無いでしょうか?
皆さんはこの施工をご覧になってどのような印象を持ちましたか?
勝手口でこの事例が起こる可能性
このように勝手口の照明とキッチン換気扇の換気口の位置が重なってしまう事例はどのような場合に起こりやすいのでしょうか?
ペニンシュラ型キッチンである
キッチン形状には色々なタイプがあります。
一般的に対面キッチンとして設計されやすいのがペニンシュラ型キッチンではないでしょうか?
対面キッチンの片側が壁付けになっていており壁側に換気扇が設置されるこのような一般的な形のキッチンですね。
またキッチンの片側が付いた壁が外壁である場合も多いと思います。
その際にはキッチン換気扇の換気口は自動的にキッチンと外壁を挟んだ外側に配置されることになります。
勝手口&降りる方向がキッチン側
先ほどのペニンシュラ型キッチンの条件に加えて勝手口が採用されていると可能性が高まります。
勝手口を採用するかどうかは間取り設計により人それぞれかと思います。
しかしこのペニンシュラ型キッチンを採用されている方はその形状からも勝手口を採用する方が多いのではないでしょうか?
このようにキッチンと背面収納などの間のスペースに勝手口を採用しやすいですよね。
ゴミなどを出したりという用途からも勝手口の設置は決して珍しいものではないと思います。
さらにその勝手口からの階段がキッチン方向に出ている場合はどうなるでしょうか?
勝手口ドアの開く方向がキッチン側になりますので勝手口照明がキッチン換気扇の換気口側に取り付けられることになります。
このような場合に今回のようにキッチン換気扇の換気口と勝手口の外部照明が重なるような可能性が出てくるのかなと思います。
紹介したtagayaさんの場合は外部照明が換気扇と位置がずれている設計になっているのが分かるかと思います。
設計上で重なってしまった例
先ほど紹介しましたtagayaさん宅の外部照明はキッチン換気口とズレた位置に設計されていました。
しかし一条工務店さんとの打合せで何気なく出てくる電気図面にはやはりこのように重なってくる場合もあります。
こちらはとみ~さん宅の打合せ当初の電気図面になります。
完全ではありませんがキッチン換気扇の換気口が外部照明と重なっているような図面になっているのがお分かりになるかと思います。
とみ~さんとは打合せの際に電気図面などの設計相談に乗らせて頂いておりました。
この電気図面を拝見した際にココさんの事例を紹介してどのように感じるかを確認させて頂きました。
結果としてとみ~さんは図面をこのように変更してもらったようです。
外部照明の位置を若干移動してもらってキッチン換気扇の換気口と重ならないようにしてもらったようですね。
こちらが実際に出来上がった写真になります。
計画通りにしっかりと施工されたようですね。
これならキッチン換気扇の排気口からの油煙なども気にすることは無いでしょう。
照明の位置移動が最善かつ簡単
ココさんのように換気口と外部照明が重なってしまうような図面が出てきた時には出来ることはただ一つ。
「外部照明の位置を移動する」
たったこれだけの事なのかなと思います。
対処法はすごく簡単な事である一方でその前の大事なことを忘れてはいけません。
「電気図面でこのような換気口と外部照明の重なりに気付けること」
これが第一歩でありかつ電気図面と向き合う素人施主さんには難しいことなのかなと思います。
という意見もあると思います。
私の個人的な意見を言わせて頂くと
なんて思ってしまうのです。
それならば照明を横に移動するほうが遥かに簡単かなと思うんです。
外部照明はその位置を多少移動したからといって使用に差し支えるものではありませんからね。
キッチン換気口に関しては高さはほぼ固定かなと思うのであえて無理をして高さ設定を変更する必要はないかなと思います。
まとめ
今回の事例は人によって特にも感じ方が異なる案件なのかなと思います。
しかしながら失敗した!と思う人にとってこのような出来上がりは決して満足のいくものでは無いと思います。
そして目に留まりやすいやすい場所だからこそ後悔の念がずっと消えないことでしょう。
主原因は電気図面の記載を立体的にしっかりと認識出来ていなかったことにあると思います。
同じ設計を見てもあまり問題ないんじゃない?と思う方もいると思われる件からしても、設計士さんからすると改めて確認をするような認識も無かったのだと思うのです。
このように人によって感じ方が異なる件というのは本当に難しい問題だと思うのです。
それは機能面には問題が無いことから「確認の必要の有無」が人により異なると思われるからです。
しかし図面からしっかりと情況を読み取れる施主さんも居ればよく分からないままに打合せをしている施主さんが居るのも確かです。
この記事をご覧になっている営業さんや設計士さんがいらっしゃいましたらお願いしたいことがあります。
このように感じる方も世の中には居るということで一言「ここはこうなりますけど気になりますか?」と聞いて頂けるだけで良いと思うのです。
こういう人それぞれの考え方というのはもう経験でしか埋められない物なのかなと思うのです。
この事例をご覧になった方でこの施工方法が気になるなと思われた方。
これから電気図面の打合せを控えた方などは是非ともこの事例を忘れずにいてほしいなと思います。