こんな事をお考えの方も多いのではないかと思います。
我が家で建築をした一条工務店さんでは売れ筋のi-smart(アイスマート)などで煩雑になりがちなキッチンツールなどを隠しておける家電収納なども人気オプションとなっています。
一方で高額なオプションであることから採用に躊躇される方も多いかなと思います。
私は特徴的な押入れ収納などを多く扱っていることからこんな収納の相談を頂くことが多いのです。
その中でもキッチンなどで「隠す収納」として3枚扉や2枚扉のWIC扱いの収納を作りたいという計画の方からの相談も頂くんです。
このような場所にソフトクロージング機能付きの扉を使うと不便な点がありそうだなと感じることがあり相談を頂いた方にはお勧めしていません。
この記事ではソフトクロージング付きの扉の思わぬデメリット面から頻繁に開け閉めするような収納にはおすすめしない理由を紹介したいなと思います。
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引き戸のソフトクロージング機能
今回紹介する注意点は引き戸にソフトクロージング機能がついている物が前提となります。
我が家が着手承諾をした2016年5月時点では様々な仕様変更とともに引き戸が吊り下げ式になりソフトクロージング機能が付きました。
同時に床に引き戸のレールもなくなりました。
これは押入の引き戸レールですけどね。
私のちょっとだけ前に建築をされた方はまだ旧式の仕様だったようなので私の頃でギリギリ変わった辺りなのかな?と思います。
また今回のソフトクロージング機能付きの引き戸に関してはi-cubeやi-smartについての変更のようです。
セゾンやブリアールなどの軸組工法の家においてはソフトクロージング機能付きの吊り方式の引戸は採用されていないようなのでご注意下さいね。
ソフトクロージングのメリット
ソフトクロージング付きの引戸は一般的にメリット面が大きく紹介されることが多いと思います。
レールがなくスッキリしている
ソフトクロージング機能が付いたことにより扉全体が吊り下げ式になりました。
結果として床面にレールが無くフローリングなどもつながってスッキリしていると思います。
またレールが無いことにより掃除などの手間もかなり軽減されているかと思います。
ソフトクロージング機能で閉め忘れがない
ソフトクロージング機能は扉を締める際に抵抗がかかり、強く扉を閉めてもドン!っと閉まることがありません。
また勢い良く扉を閉めても反動で戻って少し開くようなこともありません。
この程度の位置まで扉が来ますと抵抗がかかりその後ゆっくりと自動で引戸が閉まってくれます。
逆にほんの数センチだけ扉を開けておくという事も出来ません。
しかし上の写真にあるようにソフトクロージング機能が利くギリギリ(上の写真位置)で開けておくことは出来ます。
トイレのかってにスイッチには朗報
トイレにセンサー式のかってにスイッチなどを採用されている方も多いと思います。
以前のタイプの引き戸では
トイレなどで扉が数センチだけ開いているためにトイレの前を通過するだけで照明が点灯してしまう。
などという失敗例もありました。
しかし現在のソフトクロージング機能があれば扉はほぼ完全に閉まってくれますのでそのような扉が半開しているような失敗も少ないのかなと思います。
ソフトクロージングのデメリット
ソフトクロージングに限らずに一条工務店の引き戸としてのデメリットももちろんあります。
一般的に言われる「使える壁が減る」などという事ではなく使用面からのデメリットを上げてみますね。
指を挟む可能性がある
ソフトクロージング付きの吊り戸に限らずに一条工務店さんの引き戸全般に言えることですけど。
一条工務店さんの引き戸の取っ手は一般的なこのような取っ手になります。
大人は気をつけて済むと思いますが子供さんなどがこの取っ手に手をかけたまま扉が閉まると指を挟む可能性があります。
挟むとしたらこんな感じでしょうか。
他社の扉などは取っ手を引くとストッパーのようなガードが出てきて指挟みを防止するような扉もあります。
しかし一条工務店さんの引き戸にはそのような機能は無いのです。
現状ではお子さんなどには「気をつけろ」と身を持って体験させるしかありませんかね。
指を挟まないための対策は?
戸当り部分に扉が全開しないようにガード(ストッパー)を置くだけで防止は出来ます。
今回は適当に消しゴムとか置いてみましたけど、100均の木のブロックとか何でも良いと思うんですよね。
ソフトクロージングの抵抗を感じる
今回の記事のメインのデメリットがこちらになります。
扉を閉める時にはある程度勢いをつけて閉める事が多いでしょう。
その際に扉が当たる手前で抵抗がかかりその後ゆっくりと閉まってくれるソフトクロージングはとっても使い勝手がよく感じます。
この位まで扉が閉まってくるとソフトクロージング機能でゆっくりと扉が閉まってくれます。
しかし扉を開ける時にはそのソフトクロージングの抵抗部分まで開ける際にちょっとだけ力が必要になります。
しかし例えば歩きだして家の中を自由に行き来できるようになった2~3歳ほどのお子さんでは力が足りなくて開けられない子も多いようですね。
またお行儀が悪いと思いながらもこんな場面が。
寝転んだり下に座った状態で扉の下の部分を使って開けようと思うと吊り戸を支点に扉の下側の部分がガコッっと動くだけで開きにくい時もあったりします。
またまたお行儀の悪いお話ですが両手に物を持った状態で脚で扉を開こうなんてときにも開きにくかったります。
全ては力の掛け方だとは思うんですけどね。
ソフトクロージングの抵抗は決して大きなものではない
今回のデメリットして紹介しましたこのソフトクロージングの抵抗ですが、
という意見の方も多いと思います。
私も入居してしばらくはあまりその件について気にすることはありませんでした。
しかし子供が扉を開けられない事がある件に気づいてから、このソフトクロージングの扉はこういう特性があるんだ!と気にするようになりました。
子供がしっかりと寝ているかな~と寝室を覗き見るときにそーーーーっと扉を開ける時、その微妙な開き加減のときに抵抗を感じます。
そんな時にこのソフトクロージング機能付きの吊り戸は開ける時に若干の力が必要になるんだなと思ったわけです。
引き戸の開け閉めはそこまで頻繁ではない?
今回の話題に上げているソフトクロージング機能付きの扉に関しては一般的に居室などの扉に使われると思います。
引き戸の場合は普段は開けっ放しという方も多いと思います。
またある程度頻繁に行き来するといってもその程度はたかが知れていると思うんです。
今回気を付けたい点として紹介したいのはこの扉をキッチンなどの収納に使う際についてです。
隠す収納として3枚扉や押入れをキッチン収納として使いたいと計画する方も多いと思います。
こちらの収納に3枚扉や押入れの引き戸を使用するならばまだ良いのです。
ソフトクロージング機能が付いた扉を使って簡易的なWICというか納屋的な収納を作った場合。
その中に入れる物を使用する頻度によってはその開ける際の扉の抵抗が長い目で見ると使いにくさを感じるのではないか?
と思うのです。
収納に使われる引き戸の特徴
我が家においては3枚扉を使って特徴的な収納を作ったり、押入れの中に腰壁などを作ることにより個性的な収納を紹介してきました。
3枚扉の中に腰壁を使ったりする方もいらっしゃいますし人それぞれ使いやすいようにアレンジをして収納案を考えていらっしゃる方も多いようです。
ありがたいことにInstagramなどでは沢山のご質問も頂きますし参考にしていただいたという報告も沢山頂きます。
本当にブログを書いてる甲斐があるものです。
https://www.instagram.com/maboko0212/
そしてこの3枚扉の収納や押入れをキッチン収納として使う方もいらっしゃいます。
3枚扉
3枚扉に関しては一般的に子供部屋を分ける際に使われることが多かった扉です。
我が家においてはこの記事のように主寝室のメイン収納として中に押入を仕込んでみたり
関連 【Web内覧会】一条工務店でおすすめの収納!三枚扉を使った押入れで収納に無限の可能性を。
4畳半の子供部屋の収納に扉を開けっ放しの収納として使うことにより部屋を広くみせる方法などを考えたりしました。
関連 【Web内覧会】4畳半でも収納を使って広く見せる技アリの子供部屋
ソフトクロージング機能が付いたのと同時期なのかな?
3枚扉も吊り戸式になりまして扉が暴れないようにこのような金具が床面に取り付けられることになりました。
こちらも扉が閉まる際にはこの金具が作動してくれてソフトクロージング的な動きをしてくれているようです。
一方で床面の金具が磁石でくっついて固定されるような方式なので開け閉めにそこまで強い力が必要ではありません。
なにより3枚扉を使用する場合には3枚のうち2枚を開けっ放しにして使用する前提の方も多いかと思います。
ちょうどこんな感じでしょうか。
またキッチン収納に使う場合は家電品から発せられる蒸気などに対する湿気対策は必要です。
腰壁などを作って自在棚を多用し大規模なキッチン収納として使うことも出来ますよね。
押入収納
押入れに関しては扉の方式が多々あると思います。
その中で引き戸を考えた際には現在でも一般的なレール式になっています。
こちらも引き戸の上のレール部分に一応ストッパーのような機構はついてはいるようなんですよね。
この金具がきっと閉じた扉が勝手に開かないような機構になるのかなと思います。
ソフトクロージング的な役割は多分無いのかな?と思います。
しかしゆーーっくりと開け閉めしてみると微妙に抵抗は感じますね。
こちらの押入収納もそのまま自在棚などを使っても良いですし私の造作押入Mのように中身を弄ってもパントリー代わりとして使いやすい収納になりそうですね。
関連 【Web内覧会】クローゼットに負けない、LDKに設置した一条工務店でも自分好みに設計できる押入れ収納のおすすめ
キッチン収納として考えた場合にパントリーはお金が掛からず設置できるので収納の第一選択になるかと思います。
その反面パントリーの種類によっては中に入れるものが限られたり区分けがあらかじめ決まっている事がデメリットになりますね。
対して押入に自在棚などを使用すればその都度入れたい物に対して棚の高さなどを変更できます。
自在棚を設置するお金は掛かるものの長い目で見ると使いやすい収納であると思っています。
キッチン収納での注意点
我が家では特徴的な押入収納などを作っているのでよくご質問や相談を頂きます。
三枚扉を使ったキッチン収納に関しては開口部を常に扉2枚分確保することが出来る事が最大のメリットになります。
扉をまとめておく位置と収納中の配置などを考えれば採用することは良いなと思っています。
収納中に自在棚を仕込んで家電収納として使う場合には棚板の耐荷重の問題と炊飯器などの蒸気問題を考慮に入れた上であれば採用するのも1案だと思います。
対して2枚引き戸の押入などを使う場合にはパントリー代わりの収納としてつかうのであれば良いと思うのです。
しかし押入内に家電などを収納する場合などには特にお勧めしておりません。
引き戸を使える幅2マスの押入で考えると
- 建具などの出っ張りに干渉する部分も多い
- 引き戸の開口部が約73センチしか無いことから手狭である
- 常に片方の扉しか開けられないのでキッチンの家電等収納には不向き
という理由からです。
簡単に言うと扉や建具に干渉して中に入れた家電の扉が開けられないなどのトラブルの原因になるからです。
実際に使用する際には中に入れた家電品の扉を開く際のスペースなども気にしないといけません。
そもそも家電は放熱などのために本体の周りに結構なクリアランスが必要になります。
その上で使用頻度の高い家電や使用頻度の高いキッチン用品を入れる収納として作った場合に、ソフトクロージング機能がついた扉を使うと
開けにくい出しにくい使いにくいの3大憎い収納
になってしまう可能性があります。
片方の扉を開けている際に反対側から物を取り出そうとした際には扉を2枚開かないとアクセスが出来ないというデメリットも混在します。
対して扉のない押入の設定をすると建具への干渉問題などはクリアになります。
関連 【Web内覧会】一条工務店でおすすめの収納!三枚扉を使った押入れで収納に無限の可能性を。
自在棚などを使った収納としては合格ですし実際に下段にゴミ箱などを収納するように計画をされている方も多いですよね。
奥行きを1.5マス~2マスほど確保した部屋としてキッチン収納を作るのであれば片側だけの扉を開けた状態で中での作業も出来ます。
キッチン動線などを考える必要はありますが用途としては十分だと感じます。
先ほど紹介したソフトクロージング機能があっても基本的に使用時は扉を半分開けっ放しにして中に入っての作業が可能ですからね。
まとめ
今回の失敗例として紹介したソフトクロージングの扉の重さに関しては一般的な大人が普通に使用する際にはあまり気にならない点なのかなと思います。
しかし使用頻度(開け閉め)が頻繁になるキッチン収納などに使用した場合は
と思うのです。
この記事をご覧の方でソフトクロージングの扉を打合せ中に気にして開け閉めした方っていらっしゃいますか?
仕様変更が多い一条工務店さんです。
展示場によってはまだこのソフトクロージング機能がついた住設が装備されていない場所も多いのではないかと思うのです。
実際私も打ち合わせ中に扉の変更を知ってはいたものの
「吊り戸になるんだ~」
「ソフトクロージング機能が付くんだ~」
「レール無くなるからフローリングのつながりが良いね!」
ぐらいの考えしか無くソフトクロージングの扉の開け閉めなんて気にして体験していませんでした。
しかしソフトクロージング機能付きの扉を開け閉めしてみようという方は、
「閉まった状態から中で眠っている子供を起こさないようにゆーーーっくりと開けてみる」
これだけでその抵抗感を感じて頂けるのではないかな?と思うのです。
頻繁に開け閉めする収納に関してこのソフトクロージング機能付きの扉を使う場合には是非ともその操作感を体感した上で採用して欲しいなと思います。