エコキュートをお使いの方でも、その仕組みをしっかり分かっている方は意外と少ないのではないのでしょうか?
エコキュートは電力を使ってヒートポンプで効率的にお湯を作り、そして貯めておくものです。
しかしエコキュートの使い方によって、電気代は大きく変わってきます。
エコキュートの仕組みをしっかり知る事で、効率的に活用するポイントが見えてきます。
こちらの記事では
- 意外と知らないエコキュートのしくみ
- エコキュートが電力を消費するのはいつ?
- エコキュートの電力消費が安くなるポイント
などを、図解を交えて分かりやすくお伝えしたいと思います。
この仕組みと自分の電力契約などを知ることで、効率よくお湯と電力を使う事ができるようになります。
ポイントはタンク内の「お湯」を使っているのか「熱」を使っているのか?をよく知る事です!
各社のエコキュートのふろ配管をジャバで掃除する方法はこちら。
各社のエコキュートに使える入浴剤のまとめはこちら。
エコキュートの簡単な仕組み
エコキュートの簡単な仕組みを確認してみましょう。
三菱製のエコキュートを例にしておりますが、各社エコキュートの構造はほぼ同じかなと思います。
エコキュートのお湯を沸かすのは室外機
エコキュートは、タンク内にお湯を貯めておきます。
指定した時間にわき上げを行いますが、タンク内でわき上げをするわけではありません。
わき上げはエアコンでいう室外機のような、「ヒートポンプユニット」で行われます。
1年を通して室外機が稼働しますので、音などの問題が出ないように隣家との位置関係には注意しましょう。
エコキュートタンク内は常に満タン
エコキュートのタンク内は、お湯を使うと中身が減っていく訳ではありません。
エコキュートはお湯を使ってタンク内の水分が減ると、その分だけ自動的に水が補充されます。
水道水の力でお湯を押し出すという考え方でも良いかもしれません。
つまりタンク内は常にお湯か水で満たされています。
そのお蔭でエコキュートのタンク内は一定の圧力に保たれています。
この圧力を調節する弁もついていますので、定期的な点検作業(後日掲載予定)も必要になります。
ハイパワータイプはこのタンク内の圧力が高くて、お湯を押し出す力が強いから水の勢いが強いっていうことですね。
エコキュートタンクは下から水を入れて上からお湯を出す
昔の薪風呂なんかを想像できる方は分かると思いますが、お湯は温度差が出来ると
- 温まったお湯は上に
- 冷えた水は下に
それぞれ分離していきます。
温まった空気は上に、冷たい冷気は下にと同じ感じですね。
お湯を使う際にはタンク内の上に溜まった熱湯から使われていきます。
実際の蛇口やシャワーなどから出てくるお湯は、
- タンク内の熱湯と
- 水道管から供給される水道水
が混ぜられて、温度調節された上で出てきます。
水栓で設定した温度になるように温度調節されて、蛇口やお風呂からお湯が出てくるっていうことですね。
お湯の残量表示=お湯の使用可能量ではない
三菱製エコキュートの場合は、台所や浴室のリモコンにお湯の残湯量表示がでます。
これは「タンク内の45℃以上のお湯の量」を表示しています。
一方で混合水栓などから出てくるお湯として使える「使用可能量」はもっと多くなります。
混合水栓やシャワーを使う際は水と混ぜて温度調節されて出てきますから、タンク内のお湯は少しずつ使われていきます。
貯水タンクの容量が370Lだからといって、370Lしかお湯が出てこないという事ではありません。
オキシクリーンなどを使うために高温のお湯を大量に使うと、タンク内のお湯が一気に減っていくので注意しましょう。
お風呂の保温と追い焚きはタンク内のお湯を使わない
お風呂にお湯を貯めるときは、タンク内の熱湯と水道水を混ぜて「湯はり」をします。
「自動」ボタンを押してから「湯はり」中はタンク内のお湯を使います。
その後にお湯を設定した温度に保温する際には「ふろ自動」運転になります。
この「ふろ自動」運転で保温する際にはタンク内のお湯を直接使うことは基本的にありません。
「ふろ自動」運転中は電力を消費して熱交換器を使い、タンク内のお湯の「熱だけを回収」して浴槽内のお湯の保温をします。
また「追い焚き」運転もタンク内の「熱を回収」するので、タンク内のお湯を直接使うことはありません。
ふろ自動運転で行う保温の延長で熱交換器を使い、頑張ってお湯を温めることになります。
- お湯はりをするまではタンク内の「お湯をそのまま」使う
→電気代は湯わかしをする時(通常は夜間)に掛かる - お湯を保温・追い炊きする際はタンク内の「お湯の熱だけを回収」して使う
→電気代は保温・追い炊きをしている時はずっと掛かり続ける
お湯の使い方から電力消費を抑えるポイント
電気代は基本的に、冷たいものを温めるときに電力を多く消費します。
お湯は1年を通じて使うものです。
電気料金が高くなるご家庭は、照明や他の電化製品などよりもエコキュートなどの使い方を改善するのが一番の近道です。
特にも冬は水道水の水温がグッっと下がり、その分だけ湯わかしに使う消費電力が増えます。
オール電化住宅で冬季に電気代が上がるのは、暖房設備よりもエコキュートの湯わかしや保温の割合が大きいことを知りましょう。
一般的なオール電化用の電力プランを前提にしています。余剰契約の太陽光発電や蓄電池などの条件では変わる場合もあります。
あくまで電力を消費するという点からご確認ください。
給湯温度は上げ過ぎずお湯を出しっぱなしにしない
給湯温度を上げれば、それだけお湯の使用量が増えます。
食器洗いやシャワーなどの際のお湯の出しっぱなしを改善するだけで、お湯の使用量を減らすことが出来るでしょう。
食洗機があって使いこなせてない方は、これを機会に手洗いから脱却すると効果があるかもしれませんね。
お風呂のお湯は最小限かつ保温を最低限に
お風呂のお湯はり量が多いだけ、エコキュートタンクのお湯が減っていきます。
これはまだ良いとして、一番の損失はお湯の量が多い分だけ保温に必要な熱量=電力が増えます。
先程も説明しましたように、お風呂の「ふろ自動」を使った「保温」はタンク内のお湯を使いません。
- 冷めた分のお湯をわかすために
- 熱交換器を使い電力消費をしてお湯を温め
- 保温時間が長いだけ電力を消費し続ける
生活スタイルを優先するか光熱費を優先するか?
という事にもなりますが、光熱費に悩んでる方はお風呂の使い方にも一工夫してみると良いかもしれません。
ふろ自動運転の継続時間は、三菱エコキュートの場合は出荷時設定は3時間。
0~8時間の設定が可能ですし、自動運転が切れても蓋をしていれば湯温も簡単には下がりません。
生活に応じてふろ自動運転の継続時間を見直すことも良いでしょう。
「ふろ自動」で保温する時間を減らす工夫をしてみましょう。
お湯がぬるくなった場合は追い焚きしない
ふろ自動運転が切れるなどで、お風呂のお湯がぬるくなった場合に取れる選択肢は2つ。
- 追い焚き運転をする
- 高温差し湯をする
この場合に「追い焚き運転」は熱交換器を使うので電気代が掛かります。
一方で「高温差し湯」は一般的に夜間などの安い電気料金で沸かされたエコキュートタンク内のお湯を使うだけです。
よってぬるくなったお湯を温める際には
- ぬるくなったお湯をある程度抜いて
- 高温差し湯でお湯を足す
という方法が光熱費的にはベストになります。
太陽光発電で自家消費してる時間帯や蓄電池で貯めた電力を使う場合は、光熱費的にはあまり関係はなくなる点には注意です。
とはいえ、追い焚きには時間がかかるので高温差し湯したほうが早いんですけどね。
お湯をわかす時間は夜とは限らない
オール電化住宅が始まった当初は、夜間に安い電力契約をして夜間に湯わかしするのが一般的でした。
しかし現在は
- 電力契約の多様化
- 太陽光発電の普及
- 売電単価の下落
- 蓄電池の普及
などにより、いつ湯わかしをすると良いのか?やどのように電力を消費したら良いのか?は人それぞれ違います。
場合によっては昼間にエコキュートの湯沸かしをしたほうが安い方もいらっしゃるはず。
地域や契約内容をしっかり検討して、適切な湯わかしのタイミングやエコキュートの使い方を考えましょう。
エコキュートを効率よく使うためのまとめ
エコキュートは、ただタンクにお湯を貯めて温めて使うだけのものではありません。
タンク内の「お湯」を使うのか「熱」を使うのかは、よく知っておく必要があるでしょう。
特にもお風呂の保温のタイミングには注意。
- 給湯温度は上げすぎない
- シャワーやお湯は出しっぱなしにしない
- お風呂のお湯は張りすぎない
- お風呂の保温時間は最低限に
- 追い焚きするなら高温差し湯
- 太陽光発電の方は昼の湯わかしも検討
このようなポイントを確認してみるだけで、エコキュートの電気代を安くする事はできるでしょう。
人それぞれに条件が違うので、何が一番正解か?はありません。
自分の暮らし方でエコキュートの「電力」を使っているタイミングがいつなのかをしっかりと考えてみましょう。
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。エコキュートのジャバ手順や使える入浴剤などはこちらの記事をご覧ください。