エコキュートの貯湯タンクは、年に2~3回程度の水抜き清掃が必要とされています。
しかしその作業をされている方はあまり見かけません。
水抜き清掃をしないと、どのようなデメリットがあるのかも知らない方も多いのではないかと思います。
エコキュートのお湯は、そのまま飲用しないよう取扱説明書でも注意されています。
エコキュートタンクの水抜き清掃は、その原因となる「タンク内の汚れ」を流し出す大事な作業になります。
この記事では、
- エコキュートの定期点検内容と手順
- エコキュートタンクの黒ずみ落とし
- エコキュートの水抜き清掃に適した時間帯
などエコキュートの定期点検やお手入れについて、写真や図解で分かりやすく手順に沿ってお伝えしたいと思います。
- 作業時間は10~15分
- 使うものはドライバー1本
(無くても大丈夫) - カバーを外してバルブを開け閉めするだけ
- 点検は1年に2~3回を推奨
この記事をご覧になるだけで、エコキュートに必要なお手入れと点検作業は全て確認できるようになっております。
作業はとっても簡単!手順がありますので作業時期を決めて定期的に水抜き清掃をしましょう!
各社のエコキュートのふろ配管をジャバで洗浄する方法はこちら。
各社のエコキュートに使える入浴剤のまとめはこちら。
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エコキュートのお手入れと定期点検
エコキュートはオール電化住宅では毎日使われるものでしょう。
しかし定期的なお手入れや点検作業をされている方はあまり見かけません。
定期的なお手入れといえば、ふろ配管をジャバでお掃除される方は多そうですね。
一般的に見かけるお風呂のジャバを使った配管洗浄も、その定期的なお手入れの1つでしかありません。
エコキュートで必要なお手入れと点検箇所は大まかに6カ所あります。
- 配管の保温材の確認
- 漏電遮断器の動作確認
- 逃し弁の動作確認
- 貯水タンクの汚れ排水
- ふろ配管の洗浄
- 浴槽アダプターの掃除
このうち「ふろ配管の洗浄」と「浴槽アダプターの掃除」は、お風呂側のお掃除になります。
残り4項目も多そうに見えますが作業手順も少なく時間もほとんどかかりません。
ふろ配管の洗浄と浴槽アダプターの掃除はジャバをする過程で出来ますので、こちらの記事を参考にされてください。
関連 エコキュートの配管洗浄:ジャバの裏面には載ってない!エコキュートの取説しっかり読みましたか?
それではスマホ片手に一緒に作業していきましょう!
三菱エコキュート(ハイパワータイプ)を例に説明しております。薄型などはレバーや操作箇所が変わる可能性があります。
エコキュートタンクに必ず表示があると思いますので、個別にご確認ください。
エコキュート配管の保温材の確認
作業の前に、エコキュートタンクのカバーを開けましょう。
こちらの黒いネジを回して外します。
ネジが固い場合はマイナスドライバーを使いましょう。
マイナスドライバーは、ここで使わなければ準備する必要はありません。
エコキュートには、様々な配管が接続されています。
その配管には、熱が逃げないように保温材などが巻かれています。
ヒートポンプユニットがある室外機側も、保温材が巻いてあるので確認しておきましょう。
保温材は劣化したり動物がいたずらをして、思いがけず破損している場合があります。
劣化や破損は配管の熱を逃がすだけでなく、冬季は凍結の危険性も上がります。
目視できる部分だけでもチェックしておきましょう。
漏電遮断器の動作確認
漏電が起こった際に、自動的に電源を落としてくれる「漏電遮断器」の動作チェックをします。
漏電遮断器は、この電源レバー操作窓の中にあります。
蓋を開けると、電源レバーが上にあがってONになっているのが分かります。
その下にある【テストボタン】を押してみましょう。
電源レバーが下がりOFFになります。
電源レバーが下がり電源がOFFになれば正常な状態です。
必ず電源レバーを上げてONに戻してから操作窓を閉めましょう。
逃し弁の動作確認
逃し弁は何をする弁なのか?
逃し弁とは、エコキュートタンク内の圧力を一定以下に保つ為の弁です。
タンク内は常にお湯か水で満たされ、一定の圧力に保たれています。
この状態でお湯をわき上げるとどうなるでしょうか?
水が暖まるとお湯になり、膨張して体積が増えます。
つまりタンク内の水がお湯になると共に、内部の圧力が上がってしまいます。
その際に自動的に逃し弁が作動し、一定の圧力以下になるようにお湯をタンクから抜いてくれるのです。
このお湯が抜ける動作が、しっかりと働いてくれるかのテストになります。
逃し弁の確認作業の手順
逃し弁の確認作業は簡単にできます。
タンク本体上部に「逃し弁操作窓」があります。
こちらの窓を開けると、中に「逃し弁」があります。
この逃し弁の白いレバーを上にあげてみましょう。
完全に上に上げるとレバーが固定されますが、今回は軽く上げて下部から水またはお湯がぬけるのが確認できれば十分です。
下部から水が抜ける音がします。
こちらの排水口から水またはお湯が抜けるのが分かります。
逃し弁の点検時には、やけどの原因になるので排水口に手を触れないようにしましょう。
水またはお湯が抜けるのが分かったら、すぐに逃し弁のレバーを戻しましょう。
これで逃し弁の動作確認は終了です。
こちらの作業は逃し弁を開いて水が抜けても水道水が供給され、タンク内の水は無くならずに一定の圧力を維持しているのがポイントです。
貯水タンクの汚れ排水
貯水タンクが汚れる原因と注意点
貯水タンク内は常に、水かお湯で満たされています。
しかし長期間にわたって使用していると、タンクの底には汚れや不純物が溜まっていきます。
- 水を沸騰させると出るカルキや水アカ汚れ
- タンクや配管内の劣化した部品のカスなど
これらを強制的にタンクの下部から押し出し排水し、タンク内を綺麗に保つ為の作業になります。
またこのような汚れが出る事から、エコキュートのお湯はそのまま飲用しないように注意書きされている事も知っておきましょう。
とはいえ、蛇口から出たお湯をそのまま使う方も多いですよね。
その為にもこのタンク内の汚れ排水作業は忘れず定期的に行いましょう。
汚れ排水の大まかな流れ
先ほどの「逃し弁」の点検作業は、タンク内の水が無くならずに一定の圧力がかかり続けていました。
しかし貯水タンクの汚れ排水をする際には、タンク内の水またはお湯を下部から文字通り抜くことになります。
しかし貯水タンクの汚れ排水をする際には
- 水道水の供給を止めて
- 逃し弁から圧力を抜き
- タンクの下から排水して
- タンク内の水またはお湯を減らす
という作業になります。
プリンをお皿の上で逆さにして、上の突起(逃し弁)を折って空気を入れてプリン(水)を抜くイメージですね。
貯水タンクの汚れ排水の手順
最初に必ず電源レバーを下げてOFFにします。
電源を切り忘れないように、絶対にこの作業を飛ばさないでください。
まずは水道水の供給を止めるために、「給水配管専用止水栓」を閉じます。
これでタンク内の水が減っても、水道水は供給されなくなります。
次に逃し弁を開けて圧力を逃がします。
今回は白いレバーを上まであげて固定しましょう。
これで準備はOKです。
タンク下部の排水栓を開いて排水します。
配管に隠れた場所にあるので、探してみましょう。
排水栓を開いたまま1~2分、排水作業をします。
排水口から水またはお湯が排水されていきます。
排水ホッパーなどから排水が溢れそうになる場合には、排水栓を開閉して調節しましょう。
排水時は熱湯が出ることがありやけどの原因になります。お湯や排水口に手を触れないようにしましょう。
1~2分程度の排水が終わったら、排水弁を閉じましょう。
逃し弁の点検時とは違い、今回はタンク内のお湯が減り空間が出来ている状態なのがポイントです。
ここから改めて、タンク内に水を満たしていきます。
閉じていた「給水配管専用止水栓」 を開きます。
水道水が供給されタンク内が満タンになると、排水口から勢いよく水が溢れてくる音がします。
ここでタンク上部にある「逃し弁」を閉じてタンク内の圧力を一定に戻します。
これでタンク内の状態は元に戻りました。
作業が終わったら必ず電源レバーをONに戻しましょう。
お疲れさまでした。これでエコキュートタンクの定期点検作業はひと通り終了です。
エコキュートの貯水タンクの黒ずみ汚れ落とし
この点検で久しぶりにエコキュートの貯水タンクをご覧になった方へ。
このような黒ずみ汚れが気になった方いらっしゃいませんか?
この汚れは普通の洗剤を使った水洗いなどでは落ちないんですよね。
ただしあるものを使うと、こんなに綺麗に汚れが落ちてくれます。
それは入居時にあると便利と紹介した「のり取りクリーナー」です。
こちらののり取りクリーナーを使えば
- エコキュートの貯水タンク
- エアコンの室外機
- 樹脂サッシの黒ずみ汚れ
などの汚れを落とすことが出来ます。
関連 樹脂サッシの黒ずみ汚れを落とそう!一条工務店で採用される樹脂サッシや外回りの汚れを簡単・安全に落とす方法。
汚れが気になった方は、騙されたと思って使ってみてください!
エコキュートの定期点検におすすめの時間帯
今回紹介しましたエコキュートの定期点検。
特にも「タンク内の汚れ排水」の作業に関しては、タンク内のお湯を抜く作業になります。
タンク内のお湯は、エコキュートの湯わかしをした直後は全体的に熱くなっています。
一方で湯わかしをする直前は、タンク内のお湯は最小限であり排水をするタンク下部には冷たい水が貯まっています。
捨ててしまうのであれば、タンク内の下部が水の時が一番無駄がありません。
よって定期点検をするおすすめの時間帯は、エコキュートの湯沸かしをしてから出来るだけ時間が経ってからが良いでしょう。
とはいえ、作業をする際に深夜よりは明るい時間帯が良いのも事実。
- 一般的な夜間~早朝にわき上げる設定の方
→午後から夕方にかけて - 太陽光の余剰発電などで日中にわき上げる方
→わき上げ予定時間の前
などがおすすめの時間帯になります。
適切な時間帯は、エコキュートのわき上げ時間によって変わってきますので注意しましょう。
エコキュートタンクの点検頻度
エコキュートタンクの定期点検作業は、1年に2~3回と取扱説明書にも記載があります。
我が家では他の作業と絡めて出来るように、4月と10月を点検時期に決めています。
4月はシェード取り付けの時期と合わせて
4月は春で暖かくなり、外での作業もしやすくなる時期です。
ちょうど全館冷房に向けて、日除けのシェードを準備する時期です。
関連 一条工務店:シェードの金具・アイプレート設置が公式オプションになりました!
この時期に合わせて1回目の定期点検を行います。
10月は床暖房の不凍液のチェックと合わせて
10月になると少しずつ冬支度を始める時期です。
寒冷地では10月後半~11月頭には床暖房を使い始める方も多いはず。
そんな折に不凍液(水道水)の補充点検作業も必要になります。
この時期に合わせて2回目の点検作業を行ってはいかがでしょうか?
関連 一条工務店:床暖房の不凍液や水道水の交換方法とメンテナンス費用は?
エコキュートタンクの定期点検作業のまとめ
エコキュートの貯水タンクは、定期的に汚れ排水をしないと不純物などが溜まってゆきます。
出来るだけ綺麗な状態のお湯を使い続けるためにも、貯水タンクの水抜きを含めた点検が必要になります。
- 作業時間は10~15分
- 使うものはドライバー1本
- カバーを外してバルブを開け閉めするだけ
- 点検は1年に2~3回を推奨
作業自体は簡単な事ですが、年に数回の作業になるのでポイントも忘れがちになる方も多いことと思います。
少しでも安全なお湯を使って生活するために、それぞれのご家庭で点検時期を決めてみましょう。
その作業の際には、こちらの記事を参考に作業をしていただけますと嬉しいです。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。エコキュートの基本的な仕組み配管洗浄の方法などはこちらの記事もご覧ください!