我が家は一条工務店さんのi-cubeという家に住んでいます。
一条工務店さんの家でお住まいの方のほとんどの方が採用されると思われる全館床暖房ですが、そのエリア分けや温度設定などに関しては黄金比的な正解はありません。
それはそれぞれの家の間取り・日射・生活環境などにより最適な設定になる条件が大きく異なるからです。
しかし一般的な間取りに関して言えることがあります。
それは玄関ホールの温度設定が快適さに大きな影響があるということです。
今回はその玄関・玄関ホールの温度設定に関して改めてその重要性を感じられる出来事がありましたので改めて紹介させて頂きます。
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玄関ホールは何故寒くなるのか?
当サイトにおきましては床暖房のエリア設定や温度設定に関してこれまでに多くの記事にてその検証をお伝えしてきました。
その中でポイントの1つとして必ず取り上げられるのは玄関ホールの温度設定でした。
- 2階の床暖設定
- 使わない部屋の床暖設定
なども室温の均一化に大いに関係があるのですが玄関ホールが無い家はありませんからね。
こちらのエリアの温度設定が他の居室と同じ温度設定の場合には通常は家全体の中で室温が上がらない寒いエリアになってしまいます。
床暖房の温度設定により家中を「寒さを感じない」快適な空間にするには、家中の室温差を「最大値」でも±2度以内、±1.5度ぐらいまでに収めるように設定をすることがポイントです。
詳しくは私の師匠であるフエッピーさんのこちらの記事をご覧になってください。
https://ameblo.jp/auckland5go/entry-12234627652.html
この目標において一番のネックになるのが局所的に室温が下がってしまう玄関ホールなのですよね。
この玄関ホールエリアの室温が上がらない要因としては
- 玄関ドアの性能
- 冷え込む土間エリアの存在
- 玄関ドアから冷えた外気が入り込む
などが大きいと感じます。
我が家のエリア設定
2017年の12月~1月は我が家で暮らし始めて2年目の冬になります。
生活スタイルなどの変化もあり1年目よりも室温が上がりにくく感じられた事は以前にも記事にさせて頂きました。
生活スタイルが変わり昼間に家を不在にすることが増えたために室温が上がりにくくなっていました。
その為に去年よりも床暖房の温度設定を上げました。
このようにLDKエリアと寝室エリアの温度設定を昼間不在で室温が上がらない代わりにセーブ運転ではなく終日同じ温度で稼働するように2℃ほど上げました。
そして先程紹介しましたどうしても室温が下がってしまう玄関ホールエリアに関しては、お隣の同じく室温の上がりにくい子供部屋と合わせ他のエリアより高めの30℃設定にしてあります。
これにより家の中心であるLDKの室温が妻が寒さを感じない22℃台をキープできるようになり、家全体の温度差が±1.5℃以内ほどになり寒さを感じない家になりました。
やはり寒がりの妻からすると21℃台では寒くはないけど暖かいとも言えない微妙なラインらしいです。
CHECK
床暖房によりどれだけ部屋が温まるかは外的要因意外にも生活スタイルの変化にも原因がありそうです。
寒さを感じる基準として足元の寒さはその割合が大きいと感じます。
靴下を履く・スリッパを履くご家庭とはその感じ方も大きく変わりそうなことを予めお断りします。
風邪を引いて子供部屋へ隔離
そんな中でどうやら私が風邪を引いてしまったようです。
インフルエンザではないようですが強烈な喉の痛みと39℃程の熱が出まして家族に風邪を伝染さないように子供部屋へ私が隔離されました。
我が家では普段から主寝室の畳エリアに敷いた布団に雑魚寝しています。
畳が敷いてありますのでそのままお布団を直に敷いております。
対して子供部屋に関してはフローリング仕上げなのですがほぼ全面にタイルカーペットを敷くことにより足元の寒さを軽減し子供が遊んだ際の傷防止として活躍しています。
床暖房対応のタイルカーペットなので未対応品によく聞く不自然に室温が上がらないなどという弊害を感じることはありません。
またタイルカーペットの上にお布団を直に敷いて寝た事が無かったのですが身体が痛くなるような事もなく朝を迎えることが出来ました。
しかし問題はそこではなかったのです。
床暖房の温度設定が30℃になっているので暑くてとてもじゃなけど寝てられないのです!!!
室温はいつも寝ている主寝室と変わらないんですよ。
※おおよそ21℃前後です。
でも床面(タイルカーペット面)に敷き布団を敷くことによりそこに余計に熱を溜めてしまい、さながら調節できない電気敷毛布の上にいるようです。
CHECK
床暖房対応のタイルカーペットはズレることもなく床の傷も心配しなくて良く子供部屋やリビングにピッタリ!
対応策は床暖房の温度設定を下げる
お布団に入り込んだ19時ころから直ぐに暑さを感じ20時頃にはもうギブアップしました。
ここで暑いからといって窓を開けるなんて事をしてはいけません。
だって真冬ですし室温は21℃前後はあるんですから。
対応策は床暖房の温度設定を主寝室と同じ26℃まで4℃ほど下げました。
もちろん床暖房は即効性はありませんから直ぐには変化を感じられません。
しかしもともと室温が上がりにくいエリアだけありますよね。
およそ3~4時間ほど経った日付が変わる頃には寝室と同じように寝れる程になりました。
翌朝になってみると。。。
さて暑くて寝られないために床暖房の温度設定を4℃も落として一晩過ごしたわけです。
ここで薄々こうなるのかなと思っていた事態が発生します。
LDKの室温が22.5℃→21.5℃ほどまでおよそ1.0℃もストーンっと下がっていたんです!
夜間に最低気温が-4℃とか-5℃とか、風当たりが強い日とかには深夜にLDKの室温が下がる時もあります。
しかしこの日の最低気温は-0.5℃で気候も温和でありこの室温低下は普段の生活から考えてもかなり不自然です。
むしろこの位であればハニカムシェードを完全に閉めている夜間は窓からの冷気をシャットダウンしてますので室温が上がるはずなんです。
もう感づいた方もいらっしゃるかと思います。
これは玄関ホールおよび子供部屋の温度設定を4℃下げたことにより、お隣の広いLDKの室温までも低下させてしまったんです。
しかも朝起きてダイニングに座っていても明らかに足元が寒い。
玄関方面からの冷たい風というか冷気の流れ(コールドドラフト)を感じます。
室温ではなく床の表面温度の変化をみる
早速病み上がりの身体に鞭打ってフローリング面の表面温度を計測してみました。
使用している計測機器はこちらの放射線温度計になります。
さてフローリングの表面温度はどうなっているでしょうか?
当然ですが床暖房の温度設定を下げた事により、玄関ホールのフローリング温度はLDKに比べて約1.3~1.4℃低くなってしまっていました。
もちろん足を踏み入れてもフローリング面に冷たさを感じますし、これが原因なのだと思いますが玄関ホールからLDKへと冷たい空気の流れを感じます。
個人的な感覚ですが私と妻の共通感覚としてフローリングの表面温度が22℃台になってくると裸足で接していると何となく冷たさを感じます。
逆にフローリングの表面温度が23℃台以上あると室温に限らずに足元に暖かさを感じます。LDKはほぼ全てのエリアのフローリング面が23~24℃ほどあります。
そうまさに床暖の温度設定に四苦八苦していたあの時の感覚。
床暖房を使い始めたばかりの時の感覚ですね。
初めて床暖房の恩恵に預かる施主さんはその床暖房の快適さに満足して気づかないかもしれないこの冷気の流れを久しぶりに感じました。
あぁこれが床暖房で温度を上げても上げても寒いという方の原因の1つなのだなと改めて感じる事になりました。
我が家では玄関ホールの床暖温度設定を上げれば改善されることが分かっているから対処は簡単です。
温度設定を前の通り26℃→30℃に戻すだけで数時間でこの状態は解消されました。
しかしこれは玄関ホールと子供部屋という我が家の中で冷えがちなエリアを独立してエリア設定していたからこそ出来ることなのです。
玄関ホールの床暖エリア設定を隣接するLDKなどと床暖エリア設定を同じにしている場合にはこういう対処方法は不可能なんです。
子供部屋で寝ない気ですか?
この記事をご覧の方で、それじゃ子供部屋では今後どうやって寝るんだよという声が聞こえて来そうですね。
子供部屋に関しては床暖房の設定温度が高くても室温はLDKから-1℃程度で推移することが分かっていますので普段生活する分には決して暑くありません。
布団に雑魚寝しているから暑いだけでありそもそもこの部屋はベッドなどを置いて使用する予定でした。
また夏季に関しては床暖房を使用していませんので雑魚寝をしても心配もありません。
本当は玄関ホールだけ単独でエリア設定が出来れば良かったのですけどね。
私が設計時にはそこまでエリア設定の事を考えていた訳ではありませんでした。
なので我が家で床暖のエリア設定が玄関ホールと子供部屋が一緒になっていたのは正直言うと単なる偶然でした。
一歩間違っていたらこのような対処もできず何で床暖房を上げても上げても寒さを感じるんだろう?と思っていたことでしょう。
まとめ
今回は床暖房を初めて使った初年度にコールドドラフト対策として行ってみた「玄関・玄関ホールエリアの温度設定を思い切って上げる」という行為の重要性を改めて実感し紹介させて頂きました。
床暖房のエリア設定というのは本当に奥が深いというか。
全館冷房に比べれば基本を押さえていれば温度設定を上げれば良いだけなので誰でも家中が寒くない家を手に入れることが出来ます。
これが一条工務店で家を建てようと思う方の決め手になる方も多いのではないでしょうか?
一方では今まで単純な温度設定ばかりがブログなどで発信され続けていたのでその設定の重要さがあまり語られて来なかったのではないかと思うのです。
基本は家の中で冬季に室温が上がりにくい場所を単独またはそのエリアを合わせて温度設定できるようにしなければなりません。
その為には室温がどのような条件で下がるのかを設計段階で分からなければなりませんよね。
計画段階の方でも下にあるおすすめ記事を読んで頂けると室温を下げることになる要素が分かるかなと思います。
こんちは(・∀・)
こういったデータに基づいた検証記事が増えるといいですね。とても参考になります。
多くの一条施主が「床暖最高!」と仰りますが、きっと放射温度計をお持ちでないため区画毎の温度調整まではやってないと思います。それでも他の家よりは格段に快適なのでそこで満足してしまうのでしょう。
若しくはコールドドラフトを感じないほどに家全体の室温を24℃以上に高くしているのかも知れません。
これから設計に入る方には、床暖房の区画割りの重要性と玄関ドアをK1.5のプロセレーネにすることには気が付いて欲しいですね。
ただ、床暖房区画を独立させるには3畳は必要だったと思いますが、都市部の玄関ホールでは3畳はなかなか取れないでしょう。この場合は玄関方向に向けてエアコンを設置しておくと良いと思います。
エアコン=悪、床暖=善ではないので、何事も設置場所や使い方次第です(・∀・)
フエッピー様
コメントありがとうございます。
足元の冷気の流れという点では靴下などを履いていると気づきにくい方も多いのかもしれませんね。
玄関ホールの床暖設定最低エリアは次の記事でまさに取り上げようと思っていたのでフライングでしたねw
玄関ホールのみ単独で設定するのが大変な間取りの家もあるはずなので代替案が必要なのかなとは思います。
でもエアコンを配置する というのは結構難易度が高いというか普通の施主は思いつかないですよね。
私は素人目線で攻めてみようかなと思います。
いつも設計の参考になり有り難く拝見しております。設計も最終になり
私も玄関が心配になりましたが、やはり床暖房のゾーン分けは大事ですよねっ
でも、悲しいかな、玄関とLDKとの分離は3畳ないと分けられないルールのお陰でできませんでした。
うちは玄関と階段でまとめて、LDKと分離しているので生活動線で玄関を普段通らない様に対策で妥協です。
気持ち的には分けたい施工主さん多いと思うんですよねー。
きっとトイレを玄関側に配置すると寒いと感じる方いるかもですね。
まーこ。様
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コメント頂きましてありがとうございます。
玄関ホールはやはり広さを確保するのが難しい方、沢山いらっしゃいますよね。
本当に玄関ホールだけは特別にエリア分け出来るように何とかして欲しいです。
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玄関トイレの間取りの方も多いですよね。
私はトイレに座って長いするタイプなので余計にヒシヒシと寒さを感じそうです。
下半身があらわになってますからw