一条工務店さんで多くの方が取り付ける長府製の床暖房システム。
この設定はリモコンパネルで行うのですが初めて設定する方は
という事で先輩施主さんの設定などを見れば見るほどわからなくなる方も多いかと思います。
このリモコン設定簡単マニュアルでは
- 床暖房を初めて設定する方から
- 床暖房の設定に悩む入居済みの方まで
床暖房によって家の中を快適にする為に必要な設定の方法を順を追って説明したいと思います。
の3部構成でお送りします今回は「基本タイマー設定編」です。
床暖房リモコンの基本的な操作方法から最初の一括タイマー設定までをご案内します。
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一条工務店の床暖房の設定
一条工務店さんで多くの方が採用される全館床暖房。
こちらの設定方法に正解はありません。
なので初めての方は特にも設定に困ると思うのです。
先輩施主さんの設定温度や方法を見ても
という感じで基本的な知識がないために言ってる意味も理解しきれない方も多いのではないでしょうか?
監督さんや営業さんが初期設定をしてくれてもその内容をしっかりと理解できるほど説明が出来ているとは思えません。
なので1例ではありますが一般的なオール電化の場合を考えて電気料金が
- 安いであろう深夜に家を暖めて
- 高いであろう昼間は室温を維持する
というパターンでの設定方法を紹介したいと思います。
Rayエアコンの変更でリモコンも変更
一条工務店さんで採用されている長府製の床暖房システムは基本的にRayエアコンと呼ばれるエアコンと連動しているものです。
こちらのRayエアコン(Ray-4037)が2018年3月を境に新型のRay-4042という機種に変更になっています。
関連 再熱除湿が無くなったRayエアコンで全館冷房する為に一条工務店施主が取るべき対策まとめ
ドライ運転から再熱除湿機能が無くなるなどの変更がメインなのかなと思ったのですが、ここに来て新たな変更点が見えてきました。
新型のRayエアコンになってからの床暖房システムはどうやらリモコンが新しいものになっているようなんです。
- 旧型:CMR-2630
- 新型:CMR-2631
新型に関してはメーカーHPなどにも資料がまだ出ていないので詳しい内容を把握できていません。
今回の情報提供で今までに分かっていることは
- セーブボタンの廃止
→温度設定の操作系の変更 - モード切換ボタンの廃止
→ECO運転モードの廃止?
という点でしょうか。
床暖房の運転方法と温度設定の基本
一条工務店さんのメンテナンスマニュアルを見ると床暖房の設定方法は色々な方法が書いてあります。
しかし突然にそれだけ見てもわからないことだらけかなと思います。
通常運転とタイマー運転
床暖房の運転方法には大きく分けて3種類あります。
- 通常運転
- タイマー運転
- 間欠運転
今回使うのは「通常運転」と「タイマー運転」の2つになります。
1日を通して同じ温度設定なので設定温度よりも循環液が冷えると自動的に暖める事から1日を通して安定的に家を暖める事が出来ます。
通常運転が1日を通して同じ設定温度なのに対してタイマー運転は後に紹介する
- 通常温度
- セーブ温度
という2種類の温度設定を30分毎に設定が可能です。
24時間同じ温度設定が通常運転なのでタイマー運転で24時間同じ温度設定にしても同じ運転になります。
つまりこの2つの状態は全く同じ運転状態と思って良いでしょう。
また少し話題に上がった間欠運転ですがこれはタイマー運転の一部でして
こちらの設定例を見ると
- 夜だけ床暖房を稼働して昼間には稼働しない
という運転方法です。
このように昼間のセーブ運転の設定温度(セーブ温度)を下げてやると基本的に床暖房が稼働しません。
わざわざ新しいタイマー設定を作るよりはセーブ運転を使って設定したほうが分かりやすいと思います。
という事で設定を増やしても分からなくなるだけなので間欠運転は無いものと考えて説明を続けます。
通常温度とセーブ温度
先程紹介しました「タイマー運転」において1日の間で設定する2種類の温度を「通常温度」と「セーブ温度」と言います。
- 高い方=通常温度
- 低い方=セーブ温度
2種類ある温度設定でも温度が高い方が通常温度、低い方がセーブ温度になります。
どちらの設定温度を示しているかはリモコン右上の表示を見ることで確認ができます。
よくある失敗がセーブ温度が高く設定されている為に通常温度が下がらないという事例です。
温度設定の際には気をつけましょう。
温度設定の際はこの通常温度とセーブ温度をエリアごとに設定する事になります。
タイマー運転の設定をする
それでは実際にタイマー運転の設定を行いましょう。
タイマー運転には
- タイマー1
- タイマー2
- 入タイマー
- 切タイマー
という4種類のタイマーがありますが今回使うのは【タイマー1】だけになります。
初心者の方は【タイマー1】の設定だけで十分です。
タイマー運転を設定する事によって1日の中で温度設定に差を作ることができます。
オール電化プランの方は一般的に夜間の電気料金が安いプランに加入されているかと思います。
ここでは電気料金が安いと思われる夜間に部屋を暖める設定を作ってみましょう。
メイン電源とエリアごとの電源
まずは基本中の基本です。
リモコン左上のボタンがメインの電源ボタンです。
こちらのランプが点灯していないとそもそも床暖房は稼働しません。
右の【ABCD】ボタンはそのエリアごとのメイン電源になります。
エリア設定の場所はおそらく監督さんがリモコンのふた部分にテプラなどで貼ってくれていると思います。
また床暖房のHBにも同様の表示がされていると思います。
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また打ち合わせ中の方は間取り図面からもエリア分けが確認できます。
床暖房の後の
- 数字→リモコン番号
- アルファベット→エリア
という意味ですので設計時にもしっかり確認をしましょう。
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一括でタイマー運転設定をする
多くのお宅が床暖房リモコンは2個で8エリアの設定が可能かと思います。
ここではエリアごとに設定するのはとても大変なので全てのエリアを一括で設定変更をしてみます。
【エリア切換】を押して全てのエリアが表示されている状態で【まいにちタイマー】ボタンを【約3秒間長押し】します。
タイマー設定のグラフが出ている状態で右上のエリア表示が全て表示されていれば「一括設定」になります。
点滅している時間帯の運転モードを選択します。
表示の意味はこのようになっています。
【戻り・送り】ボタンを押して時間帯を移動しながら【△温度▽】ボタンを押して運転モードを設定していきます。
必ず最後に【確定】ボタンを押しましょう。
これで【タイマー1】の設定が完了です。
自動的に【タイマー2】の設定になりますが今回は何もせずにそのまま【確定】ボタンを押しましょう。
これでこのリモコンに登録されている【ABCD】の4エリアの【タイマー1】設定が一括で変更されました。
通常温度・セーブ温度の設定
温度設定は一括では変更が出来ずエリアごとに設定が必要になります。
【エリア切替】ボタンを押すことにより変更するエリアを選ぶことができます。
【エリア切換】を選ぶと現在のタイマー設定の温度が表示されます。
ここで各エリアを選択後に【セーブ】ボタンを押すことで通常温度とセーブ温度の表示が切り替わります。
設定変更をしたい表示の時に【△温度▽】ボタンで温度設定をします。
よくつまずく点ですのでご注意ください。
これで通常温度とセーブ温度の設定が終わりました。
これを【エリア切替】ボタンを押してすべてのエリアを移動しながら設定をしていきます。
面倒ですがこれだけは省略できません。
初心者の方で温度設定がわからない方はとりあえず私と同じように
- 通常温度=26℃
- セーブ温度=24℃
に設定してみてください。
現在の設定モードの確認
各リモコンの【エリア切換】を押してエリアを移動したときに表示される状態で現在設定されているモードが確認できます。
これを押すたびにエリアが移動しますがその際に表示されるモードを確認してください。
全て【タイマー1】になっていればOKです。
これで一通りの設定が終わりましたね。
想定される床暖房の稼働
今回の床暖房の設定マニュアルは
- 最高気温が10℃後半
- 最低気温が10℃前後
- 室温が24~25℃前後
- 室温は暖かいがフローリングが冷たく感じる
という秋が始まったような時期を想定しています。
私が先ほど紹介しましたタイマー設定ですと
- 23時~7時 26℃
- 7時~23時 24℃
という設定になっています。
恐らくセーブ運転がされている7時~23時はほぼ床暖房が稼働しないと思います。
床暖房が稼働しているかどうかはリモコン左下の表示で確認ができます。
この矢印マークが出ていないときには設定温度よりも温まっているために床暖房が動いていない状態になります。
これにより日差しがない夜間にフローリングを暖めてそれを維持するという効果があります。
そして天候により室温が上がる可能性があります。
これは床暖房の影響ではないと思うのですが、どうしても気になる方は設定温度を全体的に下げてみて下さい。
設定の微調整はECO運転ですると良い
今回のように「室温は暖かいけどフローリングが冷たい」という条件で
- 室温をできるだけ上げずにフローリングだけ暖める
という事を目的とすると床暖房の設定温度の下限が我が家の経験からフローリングの表面温度は
- 22~24℃
程度を維持できると思います。
フローリングの表面がこの位の温度であれば裸足でもあまり寒さを感じないと思います。
と思われるかもしれませんが恐らくそれは
- 日中の最高気温
- 日当たりの具合
によるものだと思います。
今回セーブ運転を24℃に設定しているのはこの状態だとフローリングの表面温度は低くても22℃ぐらいは維持できるからです。
フローリングの表面温度が22~23℃なのに室温を25℃ぐらいまで上げる効果はありませんよね。
また実際のところは夜間に26℃で暖めたフローリング温度を維持しているだけなので、セーブ運転の24℃設定時はほぼ床暖房は動いていないでしょう。
このように床暖房のECO運転に切り替えるだけで
- 床暖房の設定温度を一括で下げることができる
(標準設定は2℃下げる)
という効果があります。
関連 一条工務店:床暖房のエコモードを設定して使いこなそう!
先程の基本設定を行った上でECO運転に切り替える事により
- 通常運転
26℃→24℃ - セーブ運転
24℃→22℃
というように簡単に設定温度を下げることが出来ます。
この温度設定になると昼間も夜間もほとんど床暖房が動かない可能性があります。
ただしこのようにタイマー設定をしておくことで不意に気温などが下がった際に自動的に床暖房が動いてくれます。
とっさの気温低下の際に冷えすぎる心配がなくなる点は良いところでしょうか。
お子さんのいる家庭はチャイルドロック
床暖房のリモコンを親御さんが操作していると小さなお子さんはきっと興味を持ちますよね。
自分も操作してみたくてお子さんが手を伸ばしてしまうかもしれません。
リモコン左下にある【時刻合せ】ボタンを【約3秒間長押し】することでチャイルドロック機能が設定されます。
設定されるとリモコン画面の左上に【鍵マーク】が出ます。
注意したい点は2点。
- 運転中にチャイルドロックを設定した場合には【入/切】スイッチを押して運転を停止させる事は出来ます。
- 停止中にチャイルドロックが設定されている状態では解除以外の操作は出来ません。
床暖房の基本タイマー設定のまとめ
今回はまず基本的な温度設定として
- 通常温度 26℃
- セーブ温度 24℃
- 家中を同じ設定にする
というタイマー設定をしてみました。
これは24℃設定をしてあればフローリングの表面温度が冷たすぎない22℃程度を維持できるからです。
この操作をする段階はあくまで
- まだ室温は暖かく
- フローリングが冷たく
- これから徐々に寒くなってくる
という状態を想定しています。
既に室温が20℃近くまで下がってしまっている方は室温が下がりすぎています。フローリングなどはもっと冷たくなっていることでしょう。
その場合は
- 通常温度
26℃→28~30℃ - 日中の最低気温が下がってたり日当たりが悪い場合はセーブ温度も+2℃
程度まで1~2日の間だけ設定温度を上げてみましょう。
室温がぐっと上がってきたらもともとの基本設定
- 通常温度→26℃
- セーブ温度→24℃
に戻してください。
まずはこの状態で各部屋の室温がどのように変化するのかを見極めましょう。
その為にあえて家中を同じ温度設定にしています。
部屋ごとの細かい設定はこれから。
ここから各エリアの温度設定をどのように変えていくのかは次の「温度設定調整編」をご覧ください。
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