新築一戸建てにおいて雨水や汚水などを敷地外へ排水する設備というのはほぼ必須の設備となっています。
- 雨水
→雨水桝や浸透桝を雨水管で接続して排水 - 汚水
→汚水桝などを使い汚水管で排水
という流れで排水されることになります。
この雨水桝や汚水桝や浸透桝を設置するルールというのは多くの場合が地方自治体などのルールによって決められています。
関連 雨水枡・汚水枡・浸透枡の計画。その設置ルールと役割の違いは?
一方でこの雨水管や汚水管は地中に埋め込まれる為に目の届きにくい場所になります。
もちろん定期的な配管詰まりのチェックやトラップ桝の清掃は必要になります。
この記事では入居2年で初めて雨水や汚水の清掃を行った経験から汚れを溜めない為に
- 普段の生活から出来る対策
- 間取り設計や計画時に出来る対策
を紹介させて頂きます。
雨水を雨水桝や雨水管で排水する
雨水を代表とする「生活する上で汚れてない水」を排水するには雨水桝(浸透桝)や雨水管を使います。
一般的には雨樋からの雨水がメインになります。
また雨樋の設置場所によっては屋根からの砂ホコリなどが多く流れ込んできます。
その為にこのような雨水桝(トラップ桝)が設置されます。
このような類の雨水で溜まる汚れというのは基本的に
- 砂や土
という類の汚れですね。
雨樋から流れ込んできた汚れは周りの環境にもよりますがそこまで多いものではないでしょう。
こちらは入居から2年間で溜まった雨樋1ヶ所からの汚れです。
一方で外構などで水はけが悪い場所などを改善するために設置された桝にはもっとダイレクトに汚れが溜まりそうです。
このような開口部がある蓋を使って外構の排水を行う場合は周りの土などがそのまま桝の中に入り込むと思います。
このようなトラップ桝の掃除を欠かさなければ基本的に雨水管が詰まるほどの汚れがたまることは少ないかと思います。
汚水を汚水桝や汚水管で排水する
「生活する上で家などから出た汚れた水」を排水するには汚水桝や汚水管を使います。
その中でもキッチンに関しては油脂類が多く出ることになります。
このキッチンからの排水は大きく分けて2パターンありそうです。
- 汚水管に直接排水する
- 汚水トラップ桝を経由して汚水管に排水する
汚水を汚水管に直接流せればトラップ桝の掃除が要らないので一番楽なのです。
しかしキッチンから流された脂などが汚水管に溜まりやすいのも事実。
その為に各家庭でキッチンからの排水に汚水トラップ桝を設置しできるだけ異物を流さないように指導をしている地域もあります。
またキッチン以外の排水も多くが
- 固まったり残留した洗剤汚れ
- 髪の毛や糸くず
- トイレからの溶けにくい紙
など多くが固まった汚れとなり配管詰まりを引き起こす原因となります。
と考えてみると我が家の入居2年の配管の汚れから考えるところがありました。
ここからは汚水管を出来るだけ汚さない為に考えられるポイントを紹介したいなと思います。
キッチンの汚水管を汚さないポイント
入居後2年を過ぎて初めて掃除をした汚水管。
私の率直な乾燥を申し上げますと
という印象でした。
関連 雨水枡・汚水枡・浸透枡の構造と掃除方法。配管詰まりは溢れる原因に
特にも一番汚れが堆積して掃除の手間がかかりそうなキッチンの汚水がトラップ桝になっていなかった点は大きいです。
キッチンの汚水がトラップ桝になっている方は汚れ具合をしっかりと確認したほうが良いと感じます。
その上でトラップ桝で処理しきれずに汚水管へ流れ出る油脂類も必ずあります。
トラップ桝を経由しても汚水管に直接流しても基本的な考えは同じです。
お見苦しくて申し訳ありません。
こちらは我が家の汚水管で一番汚れが酷かった部分になります。
この汚れを見た時に個人的な感想としては
というものでした。
実は汚水管を掃除している方の様子を他のサイトなどで拝見していました。
その中でも我が家と同じように汚水管に直結して排水していた方でも
このように配管の下部に汚れが溜まっているような様子を多く見ました。
恐らくこの沈殿した汚れの上を排水が通っている事でしょう。
一方で我が家の汚れを見てみると
このように汚水が流れる場所は汚れがなくその周りと言いますか縁と言いますか。
汚れが「溜まる」というよりは「配管にくっついている」ような感じでした。
ここから考えられる推察は
- 汚水が流れる部分については油が溜まること無く流れている
という事です。
キッチンの使用具合によっては
- 汚水の流れが無くなると両脇の汚れが配管の底に落ちてくる
- 下で固まる
- 汚れが落ちずにそのまま上を汚水が流れる
という事で汚れが下に溜まりそうな気がしますが我が家ではそうなっていません。
そこで仮説の一つとして考えられるのが食洗機の使用です。
食洗機を使うと油汚れが減る?
我が家では食洗機を毎日最低1回は使用しています。
休日など家にいることが多い時には1日に2回使う日も。
ほとんどの場合が
- 遅くとも20時頃にはキッチンでの作業を終える
- タイマーで食洗機を23~24時頃から動かす
という生活を送っています。
食洗機というのは一般的に
- 70度近い高温のお湯で
- 手洗い不可の強い洗剤で
- 油汚れを分解して落とす
という特性を持っています。
特にも注目したいのがお湯の温度と洗剤の強さです。
我が家で建築をした一条工務店さんではキッチン排水に食洗機の排水が接続されています。
一般的にもこのような施工が多いのではないでしょうか?
食洗機で使われる洗剤は一般的な食器用洗剤に比べてかなり強いものです。
中性洗剤についてはよく分からないのですがアルカリ系洗剤については手洗いすると肌荒れするレベルの洗剤が使われていると聞いています。
また排水されるお湯も熱くて手洗い出来ない程度の高温のお湯です。
と思うのです。
キッチンの排水口から流れて残留した油汚れも食洗機の排水がある程度流してくれているのでは?と思うのです。
もちろんキッチンで手洗いする際にも
- ドロドロとした油汚れは極力排水口に流さずペーパーなどで拭き取り燃えるゴミに捨てる
などの対策をとることも長年の蓄積として効果があるのではないかと思います。
食洗機に関しては汚水トラップ桝を経由するとお湯の温度もかなり下がりますし絶対!という訳ではありません。
しかし全く使わない人よりは汚れが減らないかな?と思っております。
大量の水を流すことで配管詰まりを防止
我が家ではキッチン以外の汚水は家の反対側に集中しています。
汚水管の上流から見ると
- お風呂(洗濯機)
- 洗面所
- スロップシンク
- トイレ
というような流れになっています。
この中でポイントとなるのはお風呂かなと思っています。
シャワー派の方は別として我が家では毎日お風呂にお湯を溜めて入浴しています。
汚れが全て落ちるわけではありませんが全く効果が無いわけではないと思うのです。
またキッチン排水が汚水の下流にあるとこの大量の水で配管内の汚れを流す効果もあるのではないか?とも思うのです。
いずれにせよ最近はエコが全面に押し出される時代。
- ドラム式洗濯乾燥機
- タンクレストイレ
など水をあまり使わないような住設も増えています。
それは良いことですが一方で配管の汚れや詰まりの原因にもなりえます。
洗濯機やトイレは対応のしようが無いと思うのですが洗面台などはこのような洗浄液を使った際に
- 洗面に水を溜めて一気に流す
などの作業を行えると配管詰まりの防止の1つにもなるのかなと思います。
汚水や雨水に汚れを溜めない為の対策まとめ
雨水や汚水に使われるトラップ桝は必ず定期的な掃除が必要になってくる場所になります。
特にもキッチン排水にトラップ桝が使われている方は少なくとも半年~1年に1度程度は汚れの状態を確認されたほうが良いと思います。
その上で接続されている雨水や汚水管にも気を配る事が大切でしょう。
- 食洗機の使用
- 大量の水を流せる間取り・配管計画
- 洗剤やゴミを出来るだけ無駄に排水に流さない工夫
毎日の生活でこのようなポイントに気を付けるだけで雨水や汚水管の汚れ具合は大きくかわるような気がします。
そしてこのような事を行ったとしてもお掃除は必ず必要になるものです。
普段から見えない場所ですがしっかりと掃除の計画をして定期的に汚れや詰まりをチェックしてみましょう。