床下点検口は水回りのトラブルなどが発生した際に、床下の状態を確認する為の出入り口です。
普段は使うことを想定していない為に、目立たない場所に設置される事が多いでしょう。
しかし床下点検口は、1年を通じて温度差の少ない長期保存の為の「冷暗所」としての活用ができるんです。
特にも全館床暖房で冷暗所がない一条工務店では、貴重な収納場所になることでしょう。
この記事をご覧いただくと
- 床下点検口が冷暗所収納として最適な理由
- 床下点検口の中の環境
- 床下点検口を収納にする際の注意点
- 床下点検口に入れて良いもの悪いもの
- 床下点検口の設計時の注意点
などがお分かりいただけます。
床下点検口の収納環境と最適な理由
床下点検口は一般的には、水回りのトラブルなどが発生したときにのみ使われる床下への入り口です。
我が家で建築をした一条工務店の場合は、床下点検口の蓋を開けるとコンクリートの基礎面が見えます。
床下点検口の蓋を開けた基礎面というのは、簡単にいうと「家の外・屋外」と同じ環境になります。
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
床下の場所にもよりますが、基礎外壁面の近くでなければ1年を通じて温度はかなり一定に保たれるようです。
- 外気が0℃前後でも10℃程度
- 外気が30℃前後でも20℃程度
の環境を維持してるようです。
また基礎の中にありますので、風通しは良くないものの長期保存に大敵な直射日光も入りません。
床下点検口を収納にする際の注意点
床下点検口の中(基礎の中)は1年を通じて基本的に冷暗所になります。
一方で「屋外」である為に、完全に守られた収納空間という訳ではありません。
ここでは床下を収納場所として活用する際に、あらかじめ考慮しなければならない注意点をまとめてみます。
屋外なので虫などは入る
基礎の中は屋外と通じています。
よって通気口的な場所から小さな虫は入ってきますし、風が吹き込んでくる事もあります。
これは構造上から考えても仕方のない事であり、完全に防ぐことはできません。
対策とすれば、虫などを気にするものを置く際には蓋付きの箱などに入れることです。
こちら完全密封ではないようですが、30×44cmで床下点検口から扱いやすいサイズのようです。
キャスターを取り付ける場合は別売りで、取り付け時には5cmほど高くなるようです。
またキャスターを装着した場合は、床下内の高さがギリギリで蓋の開け閉めが心配ですが7センチほど深さがあるタイプもあります。
虫がいる場所に保存なんて!と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
根菜類などは土がついたまま屋外に保管される場合もあります。
飲料水なども外部倉庫などに置かれた物は環境的にそう変わるものでもありません。
2017年頃からの家はそれ以前よりも虫が入りにくいはず
我が家が一条工務店で上棟・建築をした2016年の夏秋頃は、基礎への通気はこのような全周換気スペーサーと呼ばれる部材が使われていました。
このような部材の上に家が乗っているなんて信じられませんよね。
そして見るからに通気性の良さそうな穴?が開いているのがお分かり頂けると思います。
この通気口があるおかげで基礎内(床下内)の換気を行い、湿気が籠もらないようになる部材になります。
一方で我が家の引き渡しの直ぐ後の2017年頃から、この全周換気スペーサーの部分が仕様変更になっています。
このように穴の部分が細かくなった、網のようなオリジナル基礎スペーサーと呼ばれる部材に変更になりました。
ご自分の家がどのような仕様になっているのかは、打ち合わせの際に使われた外部仕上表を確認ください。
新しいものは「オリジナル基礎スペーサー」と書かれているはずです。
たまにこの部材がしっかり取り付けられていなく隙間があるようなクレーム?を目にします。
しかし全周換気スペーサーを使っていた時代を考えると、特に気にすることもない件なのかなと思います。
環境により湿度が高くなるかも
また屋外であるが故に、季節や気候などにより湿気り具合も変わります。
- 冬より夏や梅雨時期は湿気る
- 入居1~2年目は湿気る
(基礎コンクリートからの湿気) - 家の周りが土や森など湿気が多いと湿気る
このように湿度が一定ではないことから、湿気る事で困るような物は長期に渡って置かないほうが良いでしょう。
床下点検口に入れて良い物
それでは床下点検口の中に収納する物は、どのような物が良くてどのような物が適さないのでしょうか?
基本的には
- 冷暗所保存が推奨されているもの
- 湿気などを気にしない
- パッケージされていて虫などを気にしない
- もともと外で保管されている、しても構わない
- 頻繁な出し入れを必要としない
という条件を満たすものが良さそうに思います。
具体的に言うと
- 酒類や飲料水の買い置き
- 大量の根菜類などの野菜
(葉物を除く) - お米など
- 梅酒系の保存食など
- 災害対策グッズ
などが考えられますでしょうか。
蓋付きの箱に入れる際には葉物などの野菜は呼吸により水分が出ますので注意が必要です。
いずれも食料系は少量であれば冷蔵庫や手近なパントリーなどが一番でしょう。
しかし「大量」な場合に退避できる場所があるのはとっても良いことだと思います。
床下点検口の設計時の注意点
床下点検口を収納として計画する際に、設計時から気を付けたい点をおさらいしておきましょう。
床下点検口の設置場所
収納として使う場合には、床下点検口へのアクセスがしにくくては本末転倒です。
また床下点検口は床暖房が入らないので足元が冷たくなります。
蓋の金具も裸足で踏むとひんやりします。
- 普段から足を踏み入れる機会が少なく
- 気軽に開け閉めが可能であり
- 出し入れの際に体や周りのスペースを確保出来る
場所に設置する事が大切になります。
関連 【一条工務店】床下点検口のもうひとつの使い道!長期保存の為に設置場所を計画しましょう。
外壁面から離したほうが安全
床下は外気の影響を受けにくく一定の温度を保てます。
しかし基礎面の通気口の近くはやはり影響が小さくはないでしょう。
間取りなどにもよりますが、できるだけ外壁面から離したほうが無難かなと思います。
とはいえ、寒冷地である我が家でも外壁面から3マス程度離れていれば問題はありません。
過度に気にする必要はありませんが、頭の片隅に入れておきましょう。
基礎の立ち上がりに注意
床下収納を最大限に利用したい場合は、基礎の立ち上がりにも気を付けましょう。
我が家の例で見ると、床下点検口の蓋を開けると周りが基礎の立ち上がりに囲まれています。
これにより、点検口の蓋を開けた際に3方のエリアは全く使うことができません。
この場合は、キャスター付きの収納などを使うことは出来なかったでしょう。
間取り設計時において基礎の立ち上がりがどのようになるのかは、設計士さんに聞くと確認をしてくれると思います。
給水ホースの経路にも注意する
そもそも床下点検口は、水回りの異常が発生したときなどに床下を確認するための出入り口です。
もちろん床下は温冷水のホースが張り巡らされる事になります。
水回りと床下点検口の位置関係によっては、ホースの経路と重なり思ったように物が置けない可能性があります。
はい、実は我が家がそれです。
このホースのせいで思ったよりも物が置けません。
建築時の写真を見ると、このように基礎内にホースが張り巡らされています。
この影響で我が家の床下点検口の下は、十分に物を置くことが出来ません。
この給水経路については、あらかじめ設計士さんに調べてもらうしかないでしょう。
床下点検口を収納として使う際のまとめ
このように床下点検口の中は、1年を通して温度が一定に保たれる事から収納場所として使えることが分かります。
一方で万能な収納場所ではなく、基本的には「屋外」であることは念頭に置かなければなりません。
しかしながら、特にも冬季における全館床暖房を備えた一条工務店の家では貴重な「冷暗所」として有効に使える場所だと思います。
その特性をしっかりと理解した上で使うことができれば、きっと皆さんのお役に立てる隠れた収納スペースになってくれると思います。
紹介した蓋つき収納ケース