お風呂の鏡には油断するとすぐに水垢ウロコが付着してしまいます。
洗剤などが混ざった水が鏡に残ったまま放置されることで
- 洗剤の成分
- 水道水のカルシウムなどのミネラル分
などの成分が鏡に残り、水垢となってウロコ状に残るのです。
これは鏡に残った水滴が原因なので
と思われる方も多いと思います。
実際に検索をすると、そのような方法を勧めている記事もあります。
結果から言いますと私個人の意見としては
- 水分の拭き取りはしやすくなる
- 拭き取りをしないと水分もウロコも残る
- 塗った撥水コーティングを除去するのが大変
という点から積極的におすすめはしません。
お風呂の鏡には基本的に何もしないのが一番。
- ただひたすら使用後に水分を残さないようにするのみ
というのが私の考えです。
浴室の鏡の水垢の原因は?
水回りのお掃除を怠るといつの間にか出来る白いうろこ汚れ。
これは水道水に含まれるカルシウムなどのミネラル分と、残った洗剤成分などが固まって出来るものです。
この水垢汚れの原因は、鏡に残った水分であることは明白です。
なのでよく考えがちなのが
ということですね。
そんな画期的な方法があったのね!と飛びつきそうになりますがちょっと待ってください。
お風呂の鏡に撥水コーティングをすることは、そのデメリットを分かった上で使わないと後から余計な手間がかかる諸刃の剣であることを知ってください。
そこにはどのような落とし穴があるのでしょうか?
鏡に撥水コーティングを使うメリット
車のフロントガラスに使われる撥水コーティング。
代表として効果の持続時間も耐久性もよいこちらの商品を挙げさせていただきましょう。
私も車のフロントガラスに愛用しております。
このような撥水コーティングを使おう!と思う方は鏡が「水弾き」をする事により
- 鏡についた水滴が粒上に流れる爽快感
- 鏡に付着する水分が減る
- それにより拭き取り作業が楽になる
というメリットを感じるからでしょう。
確かにこれは間違いではありません。
鏡にうろこが付着しないように毎日しっかりと拭き取り作業を行える方には、日々の作業を軽減してくれるメリットと言えそうです。
鏡に撥水コーティングを使うデメリット
一方で日々の作業においてメリットと思っていることは思わぬデメリットとなる可能性もあります。
それは大きく分けて2つ。
- 鏡の拭き取り作業という手間は変わらない
- コーティングを再施工する際の余計な手間
というデメリットです。
鏡の拭き取り作業は無くならない
撥水コーティングをすると水が綺麗に流れ落ちることでしょう。
ガラスなどの表面と水の関係は大きく分けて「撥水」と「親水」に分ける事ができます。
油膜などが付着していない綺麗な鏡は基本的に「親水」です。
こちらの動画は車のボディを例にしていますが、鏡でも同じことが言えると思います。
撥水コーティングは水を弾くことにより水分が流れ落ちやすくなるものです。
車に例えるとフロントガラスなどは、撥水により雨の際の視界が良くなるメリットがあります。
またボディにおいてコーティングで弾かれた水が綺麗に流れ落ちていく様子は、その撥水効果を感じられて満足感があります。
一方で弾かれて丸くボディやガラスに残った水分は周りのホコリなどを集め、縁の部分などが乾くことにより鱗の原因となるのです。
つまりいくら水を弾いたところで綺麗な状態を維持するには、拭き取りの作業をなくす事は出来ないのです。
我が家の撥水コーティングをした車のガラスにも、ちょっと手入れを怠ると数カ月後にはこのようなウロコ汚れがつきます。
もちろん炎天下に置かれる車と浴室では条件が違います。
しかし撥水コーティングをするだけでは水垢ウロコ汚れは無くならないのです。
むしろ濡れた後の拭き取り作業をしないと、鱗がつきやすくなる諸刃の剣でもあるのです。
水分が流れ落ちやすいので拭き取りの水分は少なくなり作業性は良くなりますが、作業が無くなる訳ではありません。
コーティングの再施工の手間を知らないと後悔する事に
一方で自分で塗れるレベルのコーティングは、いくら屈強なコーティングでもいつか劣化し効果が薄れてきます。
この場合に効果が持続する強い薬品を使えば使うほどに、その作業の手間は大きくなります。
効果が薄れてきたらその上に塗ればOK!なんて事は、このような撥水系のコーティングでは考えないほうが良いでしょう。
古い撥水コーティングを別の薬品を使って完全に落とさない限り、その上に塗ったと思ったコーティングは古いコーティングに弾かれ定着せず直ぐに落ちてしまいます。
油膜などを除去し綺麗に手入れをした上に施工されたコーティングは、弾かれる事なく乾いた後に真っ白くなることでしょう。
一方で撥水コーティングを除去せずに上塗りをすると、必ずそのコーティングが弾かれていることと思います。
この作業に全く意味が無いとは言いませんが、古いコーティングの上に新しいコーティングを塗っても効果は長続きしないという事です。
先程紹介した撥水コーティングの「超ガラコ」の取扱説明書にも。
他のコーティングや油膜が付着している場合、液ハジキがおきやすくなる。初めて使用する場合に他のコーティングや油膜が付着していると効果が得られない事がある。
という注意書きがあります。
重ね塗りに関しては言及されていないように見えます。
しかし重ね塗りをするとそのコーティングは直ぐに剥がれてしまい持続せず、ほとんど意味がない事をよく施工される方はお分かりになって頂けると思います。
再コーティングする際には
このようなキイロビンと呼ばれる油膜除去剤を使い、古いコーティングを完全に削ぎ落とす必要があります。
このキイロビンですが、簡単に言うと微粒子のコンパウンドみたいなものです。
つまり使用した後にはしっかりと洗い流す必要があるのですが、
お風呂の床がこのような凸凹の形状になっていて、特にも黒系の色の場合にしっかりと洗い流すのが非常に非常に大変です。
油断すると残ったコンパウンドが残り床が白くなるかもしれません。
浴室の鏡には撥水コーティングはおすすめしない
このように車用の撥水コーティングを浴室の鏡に利用すると
- 水弾きが増す事で拭き取り作業の軽減にはなる
- 水弾きすることで見た目の満足感がある
というメリットがあります。
その一方で
- 水切りや拭き取り作業などの手間が必要なのは変わらない
- むしろ水弾きすることで鱗がつきやすい状態である
- その為に掃除をサボると余計に酷い状態になる
- 再施工の際の手間はコーティングを塗る時の比ではない手間がかかる
という点から、使用をしないことを私はおすすめしたいです。
だからこそ掃除の手間がかかる鏡は小さい方が良いのです。
一条工務店さんのお風呂の場合は、窓の配置などにより鏡を小さくすることがお風呂の掃除の手間を減らす一歩かなと思います。
風呂場の鏡に「親水」コーティングはどうお考えですか?
備え付けの鏡のコーティングが取れてしまい、ウロコ汚れで見えない状態になったので
洗剤やウロコ取りで綺麗にした後、親水コーティングしたら
見違えるほどきれいになりました
あ 様
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コメント頂きましてありがとうございます!
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風呂場の鏡は表面が綺麗で何もしない状態であれば親水でありそれが理想だと思います。今回はうろこ汚れを綺麗にした上で親水コーティングされたという事なので、状態としては悪くはないかなと思います。その親水コーティングが劣化して鏡の表面を汚す原因にならないかだけ心配ですが、基本的には良いと思います。
ただし、しっかりと鏡の表面を綺麗にできていれば何も塗らなくても親水のはずなんです。一度ウロコ汚れがついて完全に綺麗にならないという状態なのであれば、親水コーティングは良い選択といえると思います。